2011 Fiscal Year Annual Research Report
微粒子・ナノ材料を応用した石灰化誘導能を有する自己修復材料の開発
Project/Area Number |
22592273
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加我 正行 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 特任准教授 (70125300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 正則 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (00337164)
赤坂 司 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (00360917)
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Keywords | 機能性微粒子 / S-PRG / 再石灰化誘導 / 自己修復 / アルカリ性イオン / 接着力 |
Research Abstract |
機能性ガラスであるS-PRG緻粒子を添加したシーラント材と充填材料(グラアイオノマーセメントとレジン)から溶出するアルカリ性イオンの種類と溶出量を測定し、それらの酸緩衝能を調べた。硬化した試料を乳酸溶液に浸漬するとイオン溶出効果が発現した。歯質がう蝕になる環境は、う蝕原因菌の酸産生によりpHが5.5以下になるとハイドロキシアパタイトが分解される。ここでアルカリ性イオンを放出する材料により脱灰が抑制され、再石灰誘導が生じる。この作用は材料は本研究で使用したバイオグラス、MTA等にもみられた。これら材料の配合比率を検索しながら再石灰化誘導の実験を行った。象牙質切片と微粒子を添加した実験材料との間に10μmのスペースを作り両端を固定して、人工唾液と蒸留水中に37℃で長期間保存し、象牙質切片表面上の析出物、結晶成分のSEM観察とエックス線回折とレーザーラマン分光光度計による同定を行った。試料から溶出するアルカリ性イオンや抗菌性のイオン、燐酸アパタイトの構成成分のカルシウムが再石灰化誘導に関与してる様子がわかり、人口唾液に浸漬した場合に析出物が6ヶ月目でわずかに観察された。SEM観察によりフラットな円盤状象牙質表面に針状の結晶が観察された。EDXによる析出物の同定から主に燐酸カルシウムと判断できた。長期的な展望に立った研究が必要である。実験試料とヒト抜去歯の接着強度の測定を微小引張試験(マイクロテンサイル)方法で行った。S-PRGを含有したレジンは歯質との接着方法の工夫により安定した接着強度が得られた。
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Research Products
(4 results)