2012 Fiscal Year Annual Research Report
性質の異なる破骨細胞に着目した病的・非生理的歯根吸収機構の解明
Project/Area Number |
22592274
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉村 善隆 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30230816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊入 崇 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10322819)
土門 卓文 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50217618)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 歯学 / 歯根吸収 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、性質の異なる破骨(破歯)細胞を同定し、乳歯の病的あるいは非生理的な歯根吸収が亢進する際の動態を特定することで、乳歯歯根の異常吸収のメカニズムを解明することであった。そこで伸展刺激負荷により、破骨細胞の数・核数・形態の違いが生じることに関して、その分子生物学的および細胞形態学的に解析を行った。その結果、下記の知見が得られた。 マウスマクロファージ様細胞RAW264.7細胞(RAW細胞)はRANKL刺激によって破骨細胞に分化誘導することができる。この分化誘導系において48時間の伸展刺激を加えた場合、小型で核の数が少ない破骨細胞が観察された。これは24時間の伸展刺激を加えた場合でも観察された。破骨細胞のマーカーとされる破骨細胞特異的遺伝子(TRAP、CTR、MMP-9、Cath-K、ClC7およびATP6i)のmRNA発現量は、6、12、24時間のいずれの時点でも有意に減少し、TRAP陽性破骨細胞数との相関が認められた。また、破骨細胞の細胞融合に必須の融合因子であるDC-STAMPおよびOC-STAMPのmRNA発現量も伸展刺激によって減少した。DC-STAMPのタンパク質発現量は、24時間の伸展刺激によって顕著に減少し、細胞接着因子であるE-cadherin、IntegrinαVおよびIntegrinβ3のタンパク質発現量も減少した。破骨細胞分化のmaster switchであるNFATc1のmRNA発現量は、6時間で減少し、12時間以降増加し、NFATc2および3のmRNA発現量は変化しなかった。NFATの転写活性は、伸展刺激によって有意に増加した。以上の結果は、DC-STAMPなどの細胞融合に必要な分子の発現が、伸展刺激によって抑制されたために、破骨細胞の細胞融合が抑制されたことによると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)