2010 Fiscal Year Annual Research Report
矯正的歯の移動時の歯根膜におけるTen-m/Odz3遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
22592277
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
酒井 雄一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (00451609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 智広 東北大学, 病院, 講師 (70362994)
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Keywords | マウス歯根膜 / Tem-m/Odz3 / 機械的刺激 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
Ten-m/Odz3遺伝子は、ショウジョウバエの体節形成遺伝子の中のペアルール遺伝子として同定され、ヒトからショウジョウバエにわたって様々な種で発現が認められているが、未だ機能は不明である。歯科矯正臨床において、不正咬合の治療には歯の移動が必要であり、歯の移動には歯根膜が不可欠である。歯に矯正力を付与すると、歯根膜および歯槽骨を含めた歯周組織の細胞が相互に活発に反応し、移動する歯根の前方部では歯根膜の圧迫後、破骨細胞が誘導され、歯槽骨の吸収が起こり、後方部では逆に歯根膜の牽引後、骨芽細胞が誘導され、歯槽骨の添加、形成が引き起こされて、歯は一定の方向に移動する。しかしながら、歯根膜自体は分化、石灰化することなく、未分化な状態を保持し、歯周組織の維持、再生に重要な役割を果たしているが、歯根膜細胞が、歯と歯槽骨の間で維持され石灰化しない分子メカニズムは未だ明らかになっていない。本研究では、矯正力という機械的刺激に対する歯根膜細胞の分化、恒常性におけるTen-m/Odz3遺伝子の機能解析を目的とする。本年度は、6週齢雄性ラットに0.014インチのニッケル・チタン製のワイヤーを装着し、上顎右側第1臼歯を口蓋側に移動させ、ラット歯の移動モデルを作成した。歯の移動開始後3,7,9,14日に上顎の模型作成のため印象を採得し、パラホルムアルデヒドによる灌流固定を行い、上顎骨を摘出した。厚さ5μmの薄切切片を作成し、ヘマトキシリン・エオジン染色を行い、I型コラーゲン遺伝子の発現パターンをin situハイブリダイゼーションを用いて検索した。その結果、経時的に歯の移動量は増加し、I型コラーゲン遺伝子は、歯根膜周囲の骨芽細胞で強く発現した。
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Research Products
(4 results)