2011 Fiscal Year Annual Research Report
入院患児の口腔粘膜病変と齲蝕に対する制御戦略としての糖アルコールの応用と検証
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22592284
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
仲井 雪絵 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70284073)
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Keywords | 糖アルコール / 病診連携 / 齲蝕 / 口腔粘膜 |
Research Abstract |
有病児は、基礎疾患の治療による免疫低下や唾液流出機能低下、易感染性を有するため、通常の刷掃指導や食事指導、フッ化物塗布による口腔管理ば極めて困難である。さらにその口腔ケアには齢蝕予防だけではなく、粘膜への対応も不可欠である。なぜなら、口腔乾燥の進んだ患児は多発性口内炎を併発している場合が多く、歯面に固く堆積した歯垢を機械的清掃法に依存して除去するのは、その接触痛により著しく困難だからである。本研究では、糖アルコールの一種である天然甘味料キシリトールの応用により、齲蝕原性細菌(MS)数とプラーク量の減少と口腔粘膜の保湿効果を検討するのが目的である。 スプレー噴霧によって使角できるキシリトールの一日あたり総量は、効果的な一日量と言われている5~10gよりもかなり少量にならざるを得ない。しかしながら、現時点までで得られた結果としては、口腔水分計MUCUSによって得られた計測値が改善を示しており、口腔粘膜に対して水分量を上昇させる効果を有することが示唆された。また、MS菌数を計測できるデントカルトSMによるSMスコアの減少も観察され、キシリトール溶液(スプレーによる噴霧)の形態でもキシリトールのMS菌数減少効果が示唆された。 今後、対象者数を増やし引き続き検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象者が増えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
有病児に対して、ラクトバチラス菌数の計測のためのデントカルトLB、およびカンジダ菌を計測するためのデントカルトCAを実施するには、5分間のパラフィン咀嚼による刺激唾液を採取する必要がある。有病児であっても、特に発達障害を有している患児には、パラフィン咀嚼自体が困難であり、どうしてもデントカルトLBとCAの測定が制限されたり、またMUCUSによる粘膜保湿状態の計測すら困難を極めることが少なくない。しかしながら、できる限りmissingデータの生じないようにサンプリングを何度も試たい。
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