2011 Fiscal Year Annual Research Report
変形性顎関節症に対する低出力パルス超音波刺激の有用性について
Project/Area Number |
22592285
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
本川 雅英 広島大学, 病院, 病院助教 (90457268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 幸太郎 広島大学, 病院, 講師 (20322240)
丹根 由起 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50526241)
犬伏 俊博 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30550941)
丹根 一夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30159032)
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Keywords | 歯科矯正学 |
Research Abstract |
本年度は、ラットのOAモデルを使用したin vivo実験を行い、LIPUSが顎関節部OAに与える効果を明らかにすることを目的とする。 Aoyamaらが作製したOAモデルを使用し、持続的な大開口を1時間/日、20日間継続して毎日行い、顎関節部にOAを発症させた。6または10週齢の異なる週齢のラットを使用して、以下の実験を行った。 (1)OAモデルにおける顎関節部の組織学的変化にLIPUS照射が与える効果について 対照群に比較して過開口により全体的な細胞数が減少し、表層では細胞が押しつぶされたような形態を示し、深層では空胞変性が確認され、線維層における器質的変化が認められた。また、毎回の過開口直後のLIPUS照射群においても全体的な細胞数が減少し、表層では細胞が押しつぶされたような形態を示し、深層では空胞変性が確認され、線維層における器質的変化が認められた。 (2)OAモデルにおける顎関節部の軟骨基質の変化にLIPUS照射が与える効果について 対照群と比較して、過開口群では、下顎頭軟骨層におけるトルイジンブルー染色はほとんど認められなかったことから、軟骨基質が減少していることが示された。一方、過開口+LIPUS照射群では、トルイジンブルーの染色が認められたことから、LIPUS照射により軟骨基質の産生が促進される可能性が示唆された。 以上の結果より、顎関節OAモデルへのLIPUS照射は、OAの組織学的変化には影響を及ぼさないものの、炎症状態の顎関節軟骨組織において、軟骨基質の産生を促進することでOA進行の抑制に有効に働くことがin vitro同様in vivoにおいても証明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LIPUSが下顎頭由来軟骨細胞の代謝活性に及ぼす影響について、また、OAに対する有用性について2年間検討を行った結果、研究分担者との良好な協力関係により、ほぼ当初の研究計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究計画の予定通り、OAモデルラット顎関節部におけるIL-1β、TNF-αのサイトカインの発現分布について免疫染色を行い、照射側/非照射側との比較、およびコントロール群との比較検討を行う。
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