2011 Fiscal Year Annual Research Report
矯正学的歯の移動時に生じる歯根吸収におけるケモカインーRANKL発現の検討
Project/Area Number |
22592297
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山口 大 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (60333100)
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Keywords | IL-8 / MCP-1 / excessive orthodontic force / root resorotion / odontoclastogenesis |
Research Abstract |
平成23年年度は歯髄に焦点を当て、RANKLとケモカイン(IL-8,MIP-1,MCP-1,RANTES)の産生量と遺伝子発現量および骨吸収能について検討を行った。 実験動物には、6週齢のWistar系雄性ラット45匹を用い、実験的歯の移動はラットの第一臼歯を10および50gの矯正力で7日間近心に牽引し、歯根吸収部と歯髄におけるRANKLとケモカインの発現を検討した。in vivoにおいて10および50g群問に歯の移動量の計測では差は認められなかった。10g群ではセメント質の吸収は認められなかったが、50g群では7日目にセメント質の吸収と吸収窩におけるTRAP陽性破歯細胞の出現を認めた。また、50g群では10g群と比較してサブスタンスP,RANKL,CINC-1陽性細胞、CXCR2陽性細胞およびMCP-1陽性細胞の増加を認めた。 in vitroにおいて、ヒト歯髄線維芽細胞にサブスタンスPを10^<-4>~10^<-8>Mの濃度で24時間与えた。さらに、ラット破骨前駆細胞はCINCまたはMCP-1を添加して10日間培養を行い、TRAP染色とPit formation assayを行った。ヒト歯髄線維芽細胞のRANKL,IL-8およびMCP-1の遺伝子発現量は、サブスタンスP濃度依存的に増加し、それらの産生量は経時依存的に増加した。ラット破骨前駆細胞においてサブスタンスP添加群、CINC添加群ならびにMCP-1添加群はcontro1群と比較して、TRAP陽性細胞数は増加した。またPit formation assayにおいてもサブスタンスP添加群、CINCまたはMCP-1添加群は、象牙質吸収能の促進を多く認めた。 以上の結果から、RANKL,IL-8(CINC)およびMCP-1はサブスタンスP刺激により歯髄細胞から多量に産生され、破歯細胞分化を促進することにより歯根吸収を発生させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度はヒト歯根膜線維芽細胞にcompression forceを加え、平成23年度はヒト歯髄線維芽細胞にサブスタンスPを加え、RANKLとケモカイン(IL-8,MIP-1,MCP-1,RANTES)の産生量と遺伝子発現量および骨吸収能について検討を行い、歯根吸収の発生にRANKLとケモカインが関与することを見出した。研究はおおむね順調に進展しており、平成24年度はノックアウトマウスを用いて、根吸収の発生にRANKLとケモカインが関与することを確認する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度はCINC-1,MIP-1,MCP-1,RANTESのknock outマウスを用いた実験的歯根吸収モデルにて歯根吸収にこれらのケモカインが関与しているか、検討を行う。
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Research Products
(4 results)