2011 Fiscal Year Annual Research Report
バイオアクティブに機能するナノアパタイト層を付与した矯正用ミニスクリューの開発
Project/Area Number |
22592299
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
松野 智宣 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (80199827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 田鶴子 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40095138)
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20228430)
小俣 和彦 日本歯科大学, 生命歯学部, 非常勤講師 (00434142)
山崎 淳司 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70200649)
大野 忠夫 早稲田大学, 理工学術院, 客員教授 (90160580)
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Keywords | 矯正用ミニスクリュー / 水熱酸化処理 / 酸化チタン膜 / ナノアパタイト層 / FGF-2 / セミインテグレーション |
Research Abstract |
矯正用ミニスクリューの応用が急速に普及している一方で、ミニスクリューの脱落頻度は10~20%と高く、手技や適応症あるいはミニスクリューのデザインなどが検討されている。そこで本研究は、機能時の十分な骨結合性と撤去時の除去性という相反する特性、さらに感染による脱落を軽減する歯肉貫通部の上皮接着機能を有するFGF-2/ナノアパタイト層を付与したセミインテグレーション型矯正用ミニスクリューを開発することが目的である。その目的達成のため、22年度は矯正用ミニスクリューに最も多く用いられているTi-6A1-4v4ディスク表面へのナノアパタイト層が効率よく固定できるための水熱酸化処理法を開発し、その評価を行った。さらに、その表面にリンゲル、カルシウム、リン酸の医療用輸液(RKB液)を共沈させ、その表面性状をSEMならびにEPMAで観察しろ、ハイドロキシアパタイト(HA)の結晶の析出を確認した。23年度はまず、水熱酸化処理によって生じた酸化チタン膜の生体適合性試験を行った。その結果、未処理群に比べ表面のぬれ性が有意に向上し、タンパク吸着能と細胞接着能および細胞増殖が有意に上昇した。この結果を踏まえ、水熱酸化処理をしたミニスクリューにHAを析出させ、さらにFGF-2を担持して、骨芽細胞様細胞の三次元培養を行った。その結果、未処理群・水熱酸化処理群・HA群に比べHA/FGF-2群は、培養1日目の細胞接着能が有意に高値を示し、SEMにおいても密に細胞が接着・増殖している像を確認できた。さらに、3日目からは骨分化マーカーの上昇と細胞の石灰化が認められ、バイオアクティブな表面性状を示すことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度に研究計画に予定していなかったFGF-2/ナノアパタイトミニスクリューの三次元培養による、細胞接着・増殖のin vitroによる検討を追加したため。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は当初、23年度に予定していたラット顎骨へのFGF-2/ナノアパタイトミニスクリューの植立を行い(現在、実施中)病理組織学的な検討を行うとともに、撤去トルクの計測などin vivoによる評価を行い、最終的に研究をまとめていく予定である。
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Research Products
(2 results)