2011 Fiscal Year Annual Research Report
矯正学的固定源のための生体内吸収性メッシュ状オンプラントシステムの開発と臨床応用
Project/Area Number |
22592305
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
宮澤 健 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60301636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田渕 雅子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30418925)
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Keywords | 矯正歯科治療 / 複合材料・物性 / 脱灰歯基質 / インプラント / オンプラント / ポリ乳酸 / 骨形成因子 |
Research Abstract |
歯科矯正治療を短期間に効率よく遂行するためには固定源の確保がきわめて重要と考えられる。 そこで生体内吸収性オンプラントを用い骨形成因子(BMP)と複合化させることにより骨表面に固定源を求め、安全で矯正治療後に生体内で吸収される除去が不要な新しい矯正歯科治療用の骨形成因子(BMP)複合吸収性骨膜下オンプラントの開発を本研究の目的とした。 昨年度は、BMPと複合化する天然マテリアルとして、抜去歯牙を脱灰したDDM(脱灰歯牙基質)の自家移植がきわめて有効と示唆された。そこで今年度は、このDDM(脱灰歯牙基質)が、BMPとの複合化材料として有効か否かを検討した。具体的には、牛抜去歯よりDDM(脱灰歯牙基質)を作成し、ラット頭頂骨欠損部に填塞して、骨再生能力を検討する。評価方法は、マイクロCT、HE染色、軟X線写真を用い、骨形成能力と骨修復機転を評価した。その結果、DDMはラット頭蓋骨の欠損修復において、骨形成の核となり、無添加群に比較して早期にかつ旺盛に骨修復を促進した。この所見は、DDMはBMPと複合化する極めて有効なマテリアルと示唆され、本結果は、Journal of Hard Tissue Biologyに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
天然抽出BMPに関しては、当研究室で入手可能であること。また、その複合化については、DDMが有効であると示唆されたため、今後は、このDDMに焦点を集中し研究が進めることが可能であると考えている。また、臨床における上顎正中口蓋部にミニスクリューを用いた臨床研究が順調に進行しているため、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、このDDMの有効性の更なる確認とともに、BMPと複合化するための至適粒子径の検索等を行っていく予定である。 また、生体内吸収性オンプラントを臨床応用するにあたり、最適な応用部位として上顎口蓋部への応用を考えている。現在外科用ミニスクリューを臨床研究にて応用し、将来的に矯正治療に用いるための治療も行っている。この臨床研究も来年度の研究計画の一部分として考えている。
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