2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯の移動時における歯槽骨再生を目的とした骨補填材の開発
Project/Area Number |
22592306
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
松本 尚之 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (70199884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 俊輔 (財)先端医療振興財団, 再生医療研究開発部門, 主任研究者 (40275227)
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Keywords | 人工コラーゲン / α-TCP / 生体吸収材料 / 歯周組織再生 / 歯槽骨再生 |
Research Abstract |
成人歯科矯正治療において、歯の移動に伴って、牽引側の歯槽骨の吸収を引き起こし、顎裂部の骨欠損に対して骨再生が望まれる機会に遭遇することがある。このような歯槽骨の吸収や欠損に対して予防的に充填可能な骨補填材の開発は、臨床の場で要求されるものである。申請者らは、世界で唯一の人工合成で出来たコラーゲンと高機能なα-リン酸三カルシウム(α-TCP)の複合化によるまったく新しいタイプの骨補填材の開発によって、歯槽骨の吸収・欠損に対する歯科矯正の予備治療に応用可能な骨補填材を開発するものである。 アミノ酸組成であるプロリン(P)-ヒドロキシプロリン(H)-グリシン(G)の共重合体であるPoly(PHG)を作製し,0.5%Poly(PHG)溶液とした。溶液にα-TCPを加え減圧凍結乾燥を行なった。その後24時間140℃で真空熱架橋を行い複合スポンジを作製した。走査型電子顕微鏡(SEM)により内部構造の観察を行った。複合スポンジはSEM画像所見により、α-TCPと三次元の多孔構造を有していることがわかった。ヒト間葉系幹細胞をb-FGFを含む培養液を用いて大量培養を行なった。さらにb-FGF骨分化培地を用い、スキャホールド内で一定期間培養することで培養骨を作製した。培養骨を抽出液を用いて破砕し、アルカリフォスファターゼ活性とオステオカルシンの発現を測定したところ骨分化非誘導群に比較して有意に上昇することが明らかとなった。以上、本年度に作製した複合スポンジは骨再生用足場材料ならびに骨補填材として有用であることが明らかとなった。
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Research Products
(12 results)