2012 Fiscal Year Annual Research Report
歯の移動時における歯槽骨再生を目的とした骨補填材の開発
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22592306
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
松本 尚之 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (70199884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 俊輔 大阪歯科大学, 歯学部附属病院, 教授 (40275227)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 人工コラーゲン / α-TCP / 生体吸収材料 / 歯周組織再生 / 歯槽骨再生 |
Research Abstract |
成人歯科矯正治療において、歯の移動に伴って、牽引側の歯槽骨の吸収を引き起こし、顎裂部の骨欠損に対して骨再生が望まれる機会に遭遇することがある。このような歯槽骨の吸収や欠損に対して予防的に充填可能な骨補填材の開発は、臨床の場で要求されるものである。本年度はアテロコラーゲンとαリン酸三カルシウム(α-TCP)の組み合わせによって、歯槽骨の吸収・欠損に対する歯科矯正の予備治療に応用可能な骨補填剤を開発するものである。材料には、α-TCP粒子とアテロコラーゲン(CS)溶液を使用した。α-TCP粒子とCS溶液を混和した後、-80℃、24時間減圧凍結乾燥を行った。その後、140℃、24時間真空熱架橋を行い複合体を作製した。電子顕微鏡所見から複合体の内部構造はα-TCPと三次元の多孔構造を有していた。XRD回折では、α-TCP/CSはα-TCPと本質的に同じ回折パターンを示すがα-TCP/CSでは結晶性が低下していた。ラット頭蓋骨に直径5mm深さ1mmの骨窩洞を形成した。α-TCPとCSの複合体(α-TCP/CS群)、ならびにアテロコラーゲン単独(CS群)の2群を実験群、欠損のみの群を対照群とし頭蓋冠骨欠損部に移植した。移植後2週、4週、6週で頭蓋冠を摘出しX線学的および病理組織学的評価を行った。マイクロCT像で対照群とCS群は窩洞を埋める少量の硬組織像を観察した。一方、α-TCP/CS群では部分的にHigh値を示すBMD分布像を観察した。マイクロCT像では窩洞を完全に満たしている硬組織像を観察した。またCS群、対照群に対して骨体積率、骨塩量、骨密度とも有意に高い値を示した。移植後6週では、対照群でわずかな新生骨が観察できた。CS群では既存骨と連続性がない新生骨が観察された。α-TCP/CS群ではα-TCP顆粒は吸収され伝導性骨に置換し、既存骨と自然移行している様相が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)