2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムメチル化プロファイルによる歯周炎とリウマチの共通発症機序の解明
Project/Area Number |
22592309
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 哲夫 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (00215344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 康高 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40422597)
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Keywords | 歯周炎 / リウマチ / インターロイキン6 / ゲノム / メチル化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、歯周炎患者と関節リウマチ(RA)患者由来の全身ならびに局所の単核細胞ゲノムを対象に、インターロイキン6(IL-6)遺伝子のゲノムメチル化頻度とコードタンパク発現を同時に解析して、2つの疾患の共通発症機序を解明することである。 本年度は第1段階としてインフォームドコンセントが得られたRA患者群20名、歯周炎患者群20名ならびに健常者群21名より末梢静脈血を採取して、ゲノムDNAを抽出後にバイサルファイト処理を行い、IL-6遺伝子プロモーター領域のプライマーを用いてPCR増幅後、ダイレクトシークエンスにて塩基配列を解析した。また、血清IL-6濃度の測定はELISA法にて行った。その結果、IL-6遺伝子プロモーター領域のCpGにおいて合計19部位におけるメチル化を検出しメチル化頻度を測定した。統計学的解析の結果、-74bpおよび+19bp部位のメチル化頻度において3群間で有意差が認められた。-74bp部位では健常者群と比べてRA患者群および歯周炎患者群のメチル化頻度が有意に低く、同部位でのメチル化細胞は非メチル化細胞と比べてIL-6産生が有意に低下していた。一方、+19bp部位では健常者群と比べて歯周炎患者群のメチル化頻度が有意に高かった。さらに、RA群での血清IL-6濃度は歯周炎患者群および健常者群と比べて有意に高かった。非メチル化によってIL-6遺伝子の発現活性は高まりIL-6産生が促進されることから、今回の結果から、-74bp部位のメチル化状態はRAおよび歯周炎の感受性に影響している可能性が示唆された。
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