2011 Fiscal Year Annual Research Report
FGF-2誘導性再生歯根膜における末梢神経ネットワーク再構築
Project/Area Number |
22592310
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐保 輝之 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (10263295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 正博 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (10243247)
柳田 学 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (80379081)
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Keywords | 歯学 / 再生医療 |
Research Abstract |
神経特異的タンパクであるNeurofilament Protein (NFP)を指標として神経線維のネットワークを観察するため、抗NFP抗体を用いた免疫組織染色法の確立を行った。その結果、歯と歯周組織を含むブロックから厚さ30μmの組織切片を作製し、200kDのNFPを認識するウサギポリクローナル抗NFP抗体と抗ウサギIgGブタポリクロナール抗体をそれぞれ一次および二次抗体とした抗体処理を行い、アビジンービオチンーペルオキシダーゼ法で可視化することによりNFP陽性神経線維ネットワークの検出が可能であることが明らかとなった。 次に、ビーグル犬人工的3壁性歯周組織欠損モデルを用いて、FGF-2投与群の新生歯根膜と無処置群の歯根膜の神経線維の再生像を上記のNFP抗体を用いた免疫染色により観察し、FGF-2投与により誘導された歯根膜における神経ネットワークの再生について検討した。その結果、FGF-2により誘導された新生歯根膜中のNFP陽性神経線維は、通常の歯根膜と同様の分布や走行を示すことが組織学的に明らかとなった。また、FGF-2誘導新生歯根膜において、無処置群の歯根膜と同様に、樹枝状に分枝した自由神経終末に加えて、軸索終末が激しく分枝した歯根膜の機械受容器と考えられているルフィニ様神経終末がNFP陽性線維の終末形態として観察され、FGF-2は歯根膜の構造的な再生を誘導すると同時に、感覚器官としての機能も回復させる可能性が示唆された。
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