2012 Fiscal Year Annual Research Report
歯周再生治療に有用な多層性幹細胞シート移植材の開発
Project/Area Number |
22592315
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
安部 達也 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (80271112)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 歯学 / 幹細胞 / 増殖因子 |
Research Abstract |
歯周組織の再生は歯周治療の大きな目標の1つである。既存の歯周再生療法は適応症が限られるため、新たな治療法の開発が望まれている。間葉系幹細胞(以下、MSCと略す)シートは、MSCの持つ自己複製能と多分化能から、歯周再生療法に有用な移植材と考えられる。移植効果を高めるためには、細胞を多層性に高密度に増殖させる必要があるが、MSCの多層化増殖を促進する因子については不明な点が多い。そこで本研究では、細胞高密度化MSCシートを作製するために、コンフルエンスなMSCをさらに増殖させて多層化シートを作製する条件を調べた。 実験にはコンフルエントな健常ヒト骨髄由来MSCを用い、これを TGF-β1、アスコルビン酸R、ROCK阻害剤Y-27632およびウシ胎児血清を添加した培地で培養した。細胞数をニュートラルレッドの取り込みで,増殖をBrdUの取り込みで解析した結果、MSCシートは増殖を続け、多層化した。また、TGF-β1を添加することで接着斑の形成は抑制され、シートの収縮や剥離もみられなかった。多層化MSCシート形成後の細胞は、CD29、CD44、CD105、CD166陽性で、 CD14、CD34、CD45陰性であり、間葉系幹細胞のマーカーを発現していた。また、この細胞を分化誘導培地で培養したところ、骨芽細胞系と脂肪細胞系の2つの系統の細胞に分化させることができた。これらのことから今回我々の作成した多層化シートに存在する細胞は、多分化能を維持していたと考えられる。 今回の研究成果は、効率的な多層性MSCシート移植材の作製と、今後のMSCを利用した歯周再生療法の開発にとって意義深い。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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