2011 Fiscal Year Annual Research Report
放射能標識とプロテオミクスによる白血球細胞表面のジンジパイン標的分子の解析
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22592316
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大林 武久 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (80304997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 隆寿 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (20176499)
入江 厚 熊本大学, 生命科学研究部, 講師 (30250343)
篠原 正徳 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (90117127)
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Keywords | 成人型歯周病 / Porphyromonas gingivalis / システインプロテアーゼ / ジンジパイン / 白血球細胞表面タンパク / RI標識 / プロテオミクス / 予防および治療法開発 |
Research Abstract |
成人型歯周病の主要原因細菌Porphyromonas gingivalisが放出するシステインプロテアーゼのジンジパインが、白血球機能に関わる細胞表面分子の切断することにより免疫系から本菌が逃避する免疫抑制機構を解明するため、ターゲットとなる白血球細胞膜上の機能タンパク質を、放射性同位元素を用いる標識とプロテオミクスの手法を駆使上してこれを網羅的に解析・同定し、これらの細胞表面分子が関係する白血球の機能、および歯周病に関わる種々の病態に対する影響を調べることにより、歯周病の予防法および治療法を開発に資することを目的とする。 計画に従い、健常人ボランティア末梢血より好中球または単球を調製し、細胞表面タンパク質を放射性ヨウ素で温和にRI標識。ヨウ化後の細胞を2等分し、一方はジンジパインで、他方は緩衝液のみで処理した。軽い遠心により上清と細胞ペレットに分離し、それぞれを同時に2次元電気泳動にかけた。泳動後、ゲルを蛍光色素により全タンパク質の蛍光染色した。次いでゲルをX線フィルムにあて、ジンジパイン処理の有無で放射性スポットのパターンを比較した。しかしながら、現在においても細胞に対するRI標識ならびにジンジパイン処理につき手技・条件を変化させて続行中であるが、白血球細胞表面タンパク質よりの特異的な放射性スポットのパターンについて同定に至っていない。 この研究と並行して、本研究のターゲットであるジンジパインと同じシステインプロテアーゼに属するスタホパイン(黄色ブドウ球菌が放出)について、その酵素効果について研究を行い、興味ある結果を得、学会発表を行っている。また、糖尿病治療において血糖コントロール作用で注目されている消化管ホルモンであるインクレチンに対するジンジパインの阻害作用について、新しい知見を示唆する実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画に従い、健常人ボランティア末梢血より好中球または単球を調製し、細胞表面タンパク質を放射性ヨウ素でRI標識し、放射性スポットのパターンを比較している。しかし、現在においても細胞に対するRI標識ならびにジンジパイン処理につき手技・条件を変化させて続行中であるが、白血球細胞表面タンパク質よりの特異的な放射性スポットのパターンについて同定中である。しかし、ジンジパインに関連する歯周病ならびに全身疾患に対する影響につき研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ジンジパインにより切断される白血球細胞表面タンパク質よりの特異的な放射性スポットのパターンについて同定する。 この研究と並行して、本研究のターゲットであるジンジパインと同じシステインプロテアーゼに属するスタホパイン(黄色ブドウ球菌が放出)について、その酵素効果について研究を行い、興味ある結果を得、学会発表を行っている。また、糖尿病治療において血糖コントロール作用で注目されている消化管ホルモンであるインクレチンに対するジンジパインの阻害作用について、新しい知見を示唆する実験を行っている。
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Research Products
(2 results)