2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原菌の複数菌感染による宿主細胞侵入機構の解析と新規制御法の検討
Project/Area Number |
22592317
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
齋藤 淳 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (60266559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00212910)
稲垣 覚 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (20385165)
国分 栄仁 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (70453785)
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Keywords | 歯周炎 / 歯周病原性菌 / 侵入 / バイオフィルム |
Research Abstract |
本年度は研究計画に沿った進捗が得られ良好な成果を残せた。近年,特定の歯周病原性菌が宿主細胞に侵入することが明かとなっている。これは,歯周病原性菌が宿主免疫応答から逃れ,病原性を発揮するうえで重要な機構であると考えられている。今回,複数菌によるpolymicrobial感染の視点から,歯周病原性菌の宿主細胞への侵入機構および侵入が歯周炎,動脈硬化症の発症・進展に及ぼす影響を明らかにし,新たな予防・治療法確立を目指すという構想のもと,初年度の実験を行った。これまで我々はプラークバイオフィルム形成において重要な役割を担っているFusobacterium nucleatumの存在下で,Porphyromonas gingivalisの宿主細胞への侵入が促進されることを明らかにしてきた。そのメカニズム解明の第一歩として,sequential lnfection assayを行った。F.nucleatumを培養ヒト歯肉上皮細胞に最初に1時間感染させた後に,P.gingivalisを加え1時間さらにインキュベートし,P.gingivalisの侵入能を同時感染の場合と比較検討した。共焦点レーザー顕微鏡を使用した解析の結果,同時感染の場合は,P.gingivalisが優位に侵入している細胞の比率が多かったが,興味深いことに,最初にF.nucleatumを感染させ,F.nucleatumが侵入した細胞には,その後のP.gingivalisの侵入は抑制された。この知見は,複数菌感染では,それぞれの菌の感染のタイミングが重要な影響を与えること,F.nucleatumとP.gingivalisは異なる機構で宿主細胞へ侵入していることを示している。
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[Book] Periodontal Disease : Symptoms, Treatment and Prevention2011
Author(s)
Saito, A., Inagaki, K., Kokubu, E., Kimizuka, R., Ishihara, K.
Publisher
Nova Science Publishers(in press)