2010 Fiscal Year Annual Research Report
薬物誘発性歯肉増殖症の発症メカニズムの解明および治療薬の探索
Project/Area Number |
22592321
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
服部 敏己 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (70064706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒 敏昭 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (90387423)
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Keywords | ニフェジピン / 歯肉増殖症 / 細胞内カルシウム濃度 / CaSR / TRPチャネル |
Research Abstract |
研究内容 1. カルシウム(Ca)拮抗薬ニフェジピンによる歯肉増殖症に密接に関与している細胞内カルシウム濃度([Ca^<2+>]i)の上昇メカニズムについてより詳細に検討した.その結果,ニフェジピンは歯肉線維芽細胞表面のカルシウム感知受容体(CaSR)に作用し,細胞内シグナル伝達により細胞内CaストアからのCa遊離および非特異的陽イオンチャネル(NSCC)からのCa流入を促進している可能性が考えられた.その根拠はCaSRアゴニストのgentamicin等により[Ca^<2+>]iは上昇し,一方アンタゴニストのNPS2390はニフェジピンによる[Ca^<2+>]iの上昇を有意に抑制したことによる. 2. これまでCa流入機構として想定していたNSCCが,その実体は細胞増殖にも関与しているtransient receptor potential(TRP)チャネルである可能性が高まった.この結論は次の結果から導かれた.TRPチャネルアゴニストcapsaicin等と活性化薬anadamide等は[Ca^<2+>]iを上昇させ,アンタゴニストのcapsazepine等はニフェジピンによる[Ca^<2+>]i上昇を抑制した. 意義 Ca拮抗薬による歯肉増殖症の発症メカニズムがより詳細に明らかになることにより,その治療法の選択幅が広がり,副作用が最も少ない治療薬の開発に貢献できる. 重要性 Ca拮抗薬は即効性のために高血圧症に繁用され,歯肉増殖症を併発している患者も多い.その意味で歯肉増殖症治療薬の開発に一歩近づいたことはその患者だけでなく,これまで外科的切除を行っていた医師にとっても大幅な負担軽減が期待できる.
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