2012 Fiscal Year Annual Research Report
薬物誘発性歯肉増殖症の発症メカニズムの解明および治療薬の探索
Project/Area Number |
22592321
|
Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
服部 敏己 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (70064706)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒 敏昭 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (90387423)
|
Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
|
Keywords | 歯肉増殖症 / フェニトイン / 細胞内カルシウム濃度 / カルシウム感知受容体 / TRPV1チャネル |
Research Abstract |
研究内容:申請書の「研究実施計画」通りには進まなかったが,「研究目的」に確実に近づいた.以下に具体的な研究内容を述べる.1.フェニトイン(10 - 200μM)は濃度依存的に[Ca2+]iを上昇させた.Ca2+を除去した灌流液およびNPS2390(カルシウム感知受容体アンタゴニスト)はフェニトインによる[Ca2+]iの上昇を抑制した.2.TMB-8(IP3受容体拮抗薬)およびU73122(ホスホリパーゼC阻害薬)はフェニトインによる[Ca2+]iの上昇を抑制した.一方m-3M3FBS(ホスホリパーゼC活性化薬)はそれを増強した.3.Calphostin CおよびGoe 6983 (プロテインキナーゼC阻害薬)はフェニトインによる[Ca2+]iの上昇を抑制した.一方PMA(プロテインキナーゼC活性化薬)はそれを促進した.4.Capsazepine, iodoresiniferatoxinおよびAMG9810(TRPV1チャネルアンタゴニスト)はフェニトインによる[Ca2+]iの上昇を抑制した.得られた結果はフェニトインによる[Ca2+]iの上昇にはカルシウム感知受容体を介したTRPV1チャネルからのCa2+流入および細胞内Ca2+ストアからのCa2+遊離が関与していることを示唆している.この[Ca2+]iの上昇が最終的に歯肉増殖症を引き起こすので,その発症メカニズムを“修正Ca2+トリガー説”と名付けて提唱したい.意義:フェニトインによる歯肉増殖症の発症メカニズムが明らかになることにより,その治療法の選択肢が増え副作用の最も少ない治療薬の開発・探索に貢献できる.重要性:フェニトインはてんかんに繁用され歯肉増殖症を併発する患者も多い.その意味で歯肉 増殖症治療薬の開発に一歩近づいたことはその患者だけでなく,外科的切除を行っていた医師にとっても負担が軽減されることが期待できる.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|