2013 Fiscal Year Annual Research Report
胃瘻栄養者の下痢や誤嚥性肺炎予防に食感覚を応用するための基礎的検討
Project/Area Number |
22592326
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 佳功 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40238035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 智昭 東北大学, 大学病院, 助教 (50312591)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 胃瘻栄養 / 食感覚 / 咀嚼 / 味覚 / 唾液分泌 |
Research Abstract |
胃瘻栄養者に現れる下痢などの下部消化管症状や誤嚥性肺炎は、高齢者介護現場の深刻な問題である。口腔や食道に感覚を惹起することなく注入される流動食が胃で適切に受容されず、滞胃時間が過度に短縮もしくは延長するとき、前者は下痢を、後者は食道逆流やそれに継発する誤嚥性肺炎を、それぞれ誘発すると推察される。本研究の目的は、胃瘻栄養者に摂食時と類似する口腔感覚刺激を与えることで、経口摂食時に現れる消化管の反応を擬似的に惹起し、流動食の適切な受容と消化吸収を促す臨床手段の開発に向けた、基礎的検討にある。 本研究は、当初、胃瘻栄養者を対象として実施することを計画していたが、東日本大震災以降、各施設の要介護者の受け入れ負担が増し、入所者を被験者に用いる研究への協力が困難な状況が続いていた。 やむなく若年の健康な成人に対象者を変更して研究を実施してきたが、口腔刺激に対する消化管の反応を、胃電図解析、日本語GSRSによる消化管症状の主観的評価、食欲、空腹感、悪心などの問診、排便回数、排便間隔、ブリストル・スケールによる便性状の評価などにより評価することの妥当性が確認できた。 また若年者を対象とした検討により、咀嚼と同等の周期性を具える機械刺激などと比較して、口腔への味覚刺激が消化管運動の賦活に有効であることが判明した。この結果は、実験的に唾液分泌を抑制した場合にも変わらなかった。味覚刺激は口腔に比較的安全かつ容易に惹起できるものであり、本研究で探索した口腔感覚刺激として、他の感覚に増して有用かつ有望であると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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