2010 Fiscal Year Annual Research Report
3次元超音波エコー装置を用いた摂食・嚥下器官の評価方法の開発
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22592344
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
弘中 祥司 昭和大学, 歯学部, 准教授 (20333619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 美惠 昭和大学, 歯学部, 教授 (50110721)
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Keywords | 超音波診断装置 / 嚥下機能 / 摂食機能 / 食道入口部 / Mモード / 増粘食品 / 成人 |
Research Abstract |
我々は水分嚥下時における咽頭部の超音波(以下US)検査法について検討し,その結果,水分嚥下時における喉頭蓋,食道入口部の描出可能率について報告している(2009).今回は,その結果を基に増粘食品を付加した水分嚥下時における食道入口部の開大程度,通過時間について検討した,対象は顎口腔系に異常の認められない健常成人10名(男性8名,女性2名,平均年齢24.2±2.39歳)である.増粘食品を加えた冷水と加えていない冷水を各々3ml, 6ml指示嚥下させた時の食道入口部の開大量,通過時間をMモードを用いて測定した.被験食品は増粘食品を加えない冷水と,粉液比を冷水100mlに対し増粘食品1g(試料1),2g(試料2),3g(試料3)をそれぞれ添加したものの計4種類である.描出する画像はM/Bモードで矢状断とし,コンベックス型プローブ(6.0MHz)を用いた.エコーウインドウは顎下部とし,矢状方向に35度傾斜,前額方向へ30度傾斜させた.喉頭運動を阻害しない様にプローブには厚さ1cmの超音波エコー用ジェルパッドを介した.Mカーソルは食道入口部を通過する様に設定した. 結果、食道入口部開大量は試料3の6ml嚥下時が最も大きく,冷水3ml嚥下時の約1.4倍の開大量であった.最も開大量が小さかったのは試料1の3ml嚥下時であり,冷水3ml嚥下時の約0.9倍であった。食道入口部通過時間は冷水6ml嚥下時が最も長く,試料3の3ml嚥下時が最も短かった. 食道入口部開大量は増粘性が増す程,開大する傾向にあった.これは増粘食品の付加により嚥下時のbolus形成がしやすくなり一塊となり食道入口部に流入するため開大量が大きくなったと考えられた。また食道入口部通過時間は一回嚥下量が多く,bolusとなりにくい冷水6mlの嚥下時が最も長くなったと考えられた.以上よりUSを用いた嚥下時の食道入口部の描出の有用性が示唆された.
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Research Products
(7 results)