2011 Fiscal Year Annual Research Report
3次元超音波エコー装置を用いた摂食・嚥下器官の評価方法の開発
Project/Area Number |
22592344
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
弘中 祥司 昭和大学, 歯学部, 准教授 (20333619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 美惠 昭和大学, 歯学部, 教授 (50110721)
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Keywords | 舌運動 / 超音波検査 / 摂食機能 / 嚥下機能 / 非侵襲 / 舌圧 / 3次元 / 圧波形 |
Research Abstract |
本研究では、舌の機能訓練を行う際の客観的な指標を得ることを目的として、自由嚥下時及び指示嚥下時の舌圧地図と超音波矢状断面像より得られた舌運動とを同一画面上で同期させることにより、嚥下口腔期の舌運動動態について解析を行った。 対象は、顎口腔系の機能に異常の認められない若年健康成人男性9名(平均年齢22.5歳±2.65)である。個人別に口蓋床を2個作製し、センサを埋入していない口蓋床を1週間装着してもらい、順化を行った。規定の7か所に圧センサを埋入した口蓋床を装着した状態で指示嚥下と自由嚥下の条件下で3mlの水を嚥下する際の舌圧を測定し、同時に舌のUS矢状断面像をUS装置とコンベックスタイプのプローブにより描出し、舌圧波形とUS描出像をPC画面上で同期させて録画した。測定回数は各7回で、そのうち安定した5回について計測を行った。 1.舌骨の挙上は舌圧の第2ピーク時に最高点に到達することが共通して観察された。2.正中前方部は正中後方部と比べて自由嚥下、指示嚥下ともに陽圧開始時間が有意に早く、自由嚥下で舌圧積分値が有意に大きかった。他の解析項目で部位間に有意な差は認めなかった。3.最大舌圧到達時間、舌口蓋接触総時間は指示嚥下の方が自由嚥下に比べ有意に短かった。最大舌圧は指示嚥下と自由嚥下で有意差を認めなかったが、舌圧積分値では指示嚥下の方が自由嚥下に比べて有意に小さかった。 陽圧開姶時間において正中前方部と正中後方部との間に有意差がみられた結果は他の先行研究と一致した。今回、最大舌圧到達時間、舌口蓋接触総時間はいずれも指示嚥下の方が有意に短く、舌圧積分値においては指示嚥下の方が有意に小さく、舌骨上筋群筋活動と舌圧との間に高い相関があることを考慮すると、自由嚥下に比べて指示嚥下の方が舌運動を効率化して嚥下動作を行うことが可能であると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度に3次元での咽頭部の画像解析が終了し、平成23年度は舌圧との比較検討が順調に遂行された。当初の計画ではプローブの違いを検討する予定であったが、4次元エコーの登場により、3次元での計測がより容易になっている。次年度は4次元エコーを利用しながら計測を口腔・咽頭領域に広げたい。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では3次元エコーのプローブの違いを検討する予定であったが、平成23年度に本学に4次元エコーが共同研究機器として導入された。本装置により、3次元での計測がより容易になっている。次年度は共同研究機器の4次元エコーを利用しながら計測を口腔・咽頭領域に広げたい。
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Research Products
(3 results)