2010 Fiscal Year Annual Research Report
DNA多型による法歯学的個人識別精度の確実な進展を目指して
Project/Area Number |
22592345
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
水口 清 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00133380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花岡 洋一 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (30180912)
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Keywords | ミトコンドリアDNA多型 / Y-STR多型 / Y染色体多型系 / X-STR多型 / multuplex-PCR / 日本人 / マレー人 / 変性DNA |
Research Abstract |
本年度はmtDNA多型、Y染色体多型、X染色体多型の情報のさらなる拡大、及び変性DNAからの多型検出方法の大幅な改善を目指した研究を目的としてきたが、mtDNA多型については現在日本人100例以上、マレー人100例弱の検体について全ゲノム配列を決定している。その結果、日本人およびマレー人において、新しい系統の発見を含む細分化ができた。Y染色体多型については日本人におけるY染色体のJSNPデータの146箇所の多型のうち、変性DNAからの検出に適した方法で、新しい系統を検出できる14腫のマーカーを見い出し、18種類に分類されていた日本人の系統を31種類に分類した。またY-STRデータからコンピューターを用いてこれらの系統を推測するプログラムを作製中で、実際の検査に応用しながら改良を重ねている。X染色体多型については16座位のX-STRを2回のmultiplex PCRで検出可能な方法を確立し、さらに、そのうち1つの座位を除けば15座位を同時に増幅可能にし、論文として発表した。X-STRには8座位を同時検出できる市販のキットを用い、21座位の多検体のデータを得た。現在さらに10座位のSTRを追加し、X染色体上に6箇所のhaplotypeデータが得られるようなシステムを構築中である。また、これらのhaplotypeの安定性を確認するため、X-SNP haplotypeとの比較も同時に進めている。変性DNAからの多型検出については、実際例で、既存の方法ではうまくいかない資料につき、私達の考案している方法を応用中で、現在のところ期待した結果が得られている。本研究は、実際例に応用しながら進めており、いくつかの事例で私達が現在開発している方法でなければ難しいと思われる事例も結果を出してきているところから、研究の社会的意義が高いことは証明済みであると考えている。
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