2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592351
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
上根 昌子 大阪歯科大学, 歯学部, 研究員 (40388377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神原 正樹 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90103085)
三宅 達郎 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (40200141)
土居 貴士 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20388375)
川崎 弘二 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80309187)
神 光一郎 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (00454562)
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Keywords | 歯学 / 学校歯科保健 / スクリーニング / 永久歯う蝕 / 口腔健康評価 |
Research Abstract |
学童期の永久歯う蝕が減少し、今後学童期の口腔保健対策を構築していくには、児童の大半を占める永久歯健全者に対する健康増進という概念での口腔保健対策が重要である.そのためには、学童期に口腔の健康レベルをアップすることにより、疾患にかかりにくい児童を育成することが、将来の歯科疾患の減少につながっていくと考え、学童期の新たな口腔保健対策を検索する目的で、給食後のリン酸化オリゴ糖配合チューインガムの摂取が口腔内環境にどのように影響するかについて検討した.その結果、ガムを摂取することによって、唾液SMレベル、唾液緩衝能ともに有意に改善あるいはよい状態が維持されることがわかった.また、初期齲蝕に対する積極的な改善作用を検討するため、新規入学生には緑茶抽出フッ素配合ガム摂取を実施した.従来のガムとこのフッ素配合ガムについて1年間の初期齲蝕の動向をQLF法(器機による初期齲蝕脱灰量測定)にて比較検討した結果、フッ素配合ガムを摂取した群では従来のガム摂取群に比べ、初期齲蝕が回復傾向にあるものが有意に多くなっていた.この結果は、視認できる初期齲蝕の数でも認められ、ガムを噛んでいない群および従来のガムを噛んだ群では、1年間で視認できる初期齲蝕数が増加していたのに対し、フッ素配合ガムを摂取した群では増加していなかった. さらに、1年生時口腔健康レベルによって、ガム摂取による効果の違いを検討した結果、健康レベルが高い者でが、緑茶抽出フッ素を配合したガムを噛むことで、リン酸化オリゴ糖のみ配合ガムより、さらにSMレベル、唾液緩衝能が改善し、健康増進対策として有効であることがわかった.健康レベルの低い群ではフッ素配合の有無にかかわらず、リン酸化オリゴ糖配合ガムを噛むことで健康レベルを向上できることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学童期の口腔健康レベル評価法については確立することができた.また、口腔健康レベルの向上するための対策の一つの方法として、学校における給食後ガム摂取の実施を試み、その効果を評価することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
唾液流出量、唾液緩衝能、唾液中SMレベルおよび生活習慣要因の変化パターンを明らかにし、その変化パターンと初期う蝕動向との関連、および3年間のう蝕発生との関連について解析する.また、今回確立した口腔健康レベル評価法が他の小学校においても応用可能かどうかを検討するため、調査対象校を1校追加し、同様の解析を実施する.
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Research Products
(6 results)