Research Abstract |
1) 蜂蜜の創傷治癒への効果:皮膚全層欠損へのインドネシア蜂蜜の治癒効果をマヌカ蜂蜜とテガダームハイドロコロイド被覆材と比較した。創作製後14日での創面積は3群で同じであったが,創作製初期の炎症期では,二つの蜂蜜群では,創の拡大はみられなかったが,テガダームでは創の拡大が見られた点より,蜂蜜には炎症期の創拡大を抑制し,創傷治癒が緩やかに進むことが見いだされて,創傷治癒に有効と考えられた。現在論文投稿中である。平成23年度は日本産蜂蜜での効果を検討する。 2) 肥満の創傷治癒への影響:遺伝的に肥満になる糖尿病マウスでは無く,高脂肪食で飼育して肥満にして,血糖値が糖尿病マウスよりもかなり低いマウスを作製した。次に,この非糖尿病肥満マウスに皮膚全層欠損創を作製して,普通のマウスと比較した。意外なことに,肥満マウスは餌を食べなくなり,体重が減ってしまい,創作製後14日では,普通マウスと同じくらいの体重になった。この時の創面積は両群で同じであった。ただし,肥満マウスの創は左右方向に長い楕円形を呈していたことから,体重減少しなければ,創は左右に伸展して治癒が遅れる可能性があることが,示唆された。論文投稿へ執筆中である。 3) 閉経(エストロゲンの減少)の創傷治癒への影響:平成21年度に行った研究(論文執筆中)の続きで,年を取ったマウス(人間も年を取って閉経するので)を使用した。20週令と40週令。卵摘をして皮膚創傷を作製して,現在は,研究を行っているので,平成23年度中に結果が出る予定であるが,他の研究でいわれているほどには,創傷治癒がおきないようで,まだまだ検討しないといけないような状況である。 4) 無タンパク飼料での創傷治癒過程の研究はInternal Wound Journalで発表した。
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