2011 Fiscal Year Annual Research Report
看護基礎教育と看護師の臨床教育をつなぐ客観的臨床能力試験プログラムの開発
Project/Area Number |
22592378
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
樋之津 淳子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (90230656)
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Keywords | 看護基礎教育 / 卒後看護臨床研修 / 職場適応力 / 社会的スキル / メンタルヘルス / 客観的臨床能力試験 |
Research Abstract |
本研究の目的は、看護系大学の基礎教育と卒業後の新人看護職の研修を連関し、継ぎ目がない看護職の臨地実践能力育成をめざした教育・研修プログラムを構築することである。平成23年度は、卒後1~2年目の臨床看護師の研修と職場で新人指導を担当している看護師のグループインタビューを実施した。その結果から新人看護師の看護実践能力の実態と看護実践にどのような問題を抱えているのか、研修プログラムの評価、今後に向けた研修のニーズについて調査した。昨年度明らかになった多くの新人が共通して抱えている課題は、「新しい就業環境、人間関係への適応」、「ストレスコントロールカ」などであったことから、今年度は大学卒業後1,2年目の看護師を対象に「職場のメンタルヘルス」などの研修を行った。その結果、講義や研修での振り返りを通して客観的に自己をみつめなおすきっかけができ、その後の就業意欲の復活、再学修の場・実践の改善を試みる場として研修の意義を高く評価していた。また、臨床における指導看護師が大学に期待することは、新人看護師の社会的スキルを含めた職場適応力や精神面の支援についてであった。本結果を教育と臨床現場のギャップを最小限にする方策の1つとし、今後の大学教育・キャリア支援に反映させつつ、引き続きプログラムを再検討し、研修体制を充実させていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
客観的臨床試験という形式ではなかったが、2年目で大学が行う新人研修プログラムの実施が可能となったこと。プログラム評価により、一部研修内容を修正、追加し、引き続き今年度も実施していく。
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Strategy for Future Research Activity |
研究当初は客観的臨床能力試験の実施そのものが、研修プログラムとなると考えていたが、実際には技術試験だけでなく、社会的スキルやコミュニケーション能力、精神面の支援体制が必要とされていることが明らかとなった。従って、研究計画を変更し、今年度から客観的臨床能力試験の導入に向けて臨床側と問題点を話し合い、実現可能性を探究していく。
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Research Products
(7 results)