2011 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植医療における看護職の院内コーディネーターの役割・機能に関する研究
Project/Area Number |
22592386
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
習田 明裕 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (60315760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志自岐 康子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (60259140)
佐藤 政枝 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (30363914)
三輪 聖恵 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (20457831)
笠原 康代 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (00610958)
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Keywords | 臓器移植 / 院内コーディネーター / 脳死ドナー / 看護 / 倫理 |
Research Abstract |
本研究は、本邦の院内コーディネーターの職務内容の実態を明らかにするとともに、その課題について倫理的視点から熟考し、今後求められる役割・機能について言及することが目的である。 本年度は文献検討及び研究グループ内のディスカッションを通して得られた院内コーディネーターの役割・機能の知見と、実際に活動している看護職院内コーディネーターの職務内容の齟齬について面接調査の内容から検討した。 その結果、主たる職務内容は大きく4つにカテゴリー化され、 1)【救命救急医療の終末期ケアに関わるナース】として「看取りとしての関わり」、「家族の悲嘆への寄り添い」等、2)【ドナー家族に対するアドボケーター】として「意思決定へのアドボケーション」、「情報提供者としての役割遂行」等、3)【脳死移植現場のファシリテーター】として「臓器提供プロセスへの継続的関与」、「他職種とのコーディネーション」等、4)【脳死移植の啓発者】として、「医療・看護職スタッフへの教育」、「一般人に対する啓発活動」、等が挙げられた。 なお院内コーディネーターの役割・機能に関する諸外国との比較の中で、本邦の主たる職務として含まれなかったものは「移植医療の質向上に期する研究活動」や「臓器移植医療資源に関するマネジメント」、及び「マスメディア等の報道関係に対する情報提供」等、先行研究とほぼ同様な結果であった。ただし上記1)~4)の職務内容に関する権限については各施設様々であり、院内コーディネーターの専門性や自律性を考えていく大きな課題が示された。 特に職務満足度及びモチベーションが低い状態で職務にあたっている院内コーディネーターの実態が先行研究で示されていることから、改めて臓器提供に関する院内体制の整備、特に院内コーディネーターの配置やその職務を明確に示すことの重要性が示されたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本邦における院内コーディネーターに求められる役割・機能に関する示唆を得ることを目的として、当初脳死移植の先進国である米国の院内コーディネーターに面接調査を実施する予定であったが、先方との日程の折り合いが合わず、メールや電話でのやり取りが主になってしまった。今後院内コーディネーターに求められる役割・機を構築していく上で、国際的視野に立った検証が急務である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の課題は、わが国の看護職院内コーディネーターの職務内容に関する実態を明らかにするとともに、その課題について倫理的視座から熟考し、今後求められる役割・機能について言及することである。今後は前年度に引き続き日本における院内コーディネーターの実態を把握するとともに、わが国の死生観や臓器移植に対する認識の特徴や独自性を踏まえた上で、上記の課題と記したように国際的視点に立った院内コーディネーターの活動状況に鑑み、今後わが国の院内コーディネーターに求められる役割・機能を構築したいと考える。
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