2012 Fiscal Year Annual Research Report
新人看護師の転倒リスク認知・リスク回避教育プログラムの開発
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22592390
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
丸岡 直子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (10336597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 和代 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (40157855)
木村 久恵 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (90347360)
寺井 梨恵子 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (90457888)
田甫 久美子 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (50570694)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 転倒 / リスクマネジメント / 新人看護師 / OJT / リスク認知 / リスク回避 |
Research Abstract |
本研究の目的は、新人看護師の転倒リスクマネジメント力形成の特徴と転倒ヒヤリ・ハットの発生要因に対応した転倒リスク認知・リスク回避教育プログラムを開発することである。平成24年度の目的は、1)新人看護師の転倒リスクマネジメント行動の実態を明らかにすること、2)転倒リスク認知・リスク回避教育プログラムの試案作成である。 1)新人看護師の転倒リスクマネジメント行動:3病院の新人看護師112名を対象に、就職当初と12か月目に転倒リスクマネジメント行動評価尺度の4因子33項目:「予測と判断」9項目、「防止策の実行」8項目、「教育と連携」8項目、「情報の共有・活用」8項目を5件法で調査した。2時点とも回答があった44名の就職当初と12か月目の4因子の平均得点は「予測と判断」ではそれぞれ3.4±0.5(M±SD)、3.7±0.5、「防止策の実行」は4.2±0.5、4.4±0.9で、「教育と連携」は2.4±0.6、2.9±0.5で、「情報の共有・活用」は3.1±0.8、3.7±0.7であり、「教育と連携」と「情報の共有・活用」が有意に上昇した。 2)教育プログラム試案:集合教育による転倒リスクマネジメント演習とOJTによる転倒リスクマネジメント教育からなる。集合教育では転倒リスク場面の映像を眼球運動測定装置により視覚情報の取り込みを測定しリスクアセスメントの討議を行う。映像注視の重要部位と転倒リスクアセスメントを「動きの予測」「重心と基底面積」「バランス保持に影響を及ぼす環境」の3点から設定する。OJTではOJT担当看護師と新人看護師が行動を共にし療養環境や患者ケア実施中における転倒リスク予測と転倒予防行動を行う。その際に、先輩看護師は新人看護師に対して、転倒リスクアセスメントや転倒予防行動について必要な補足説明を可能な限り実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目看護師を対象とした集合教育と職場内教育(OJT)を主体とした転倒リスクマネジメント教育プログラム試案を作成し、H25年度に実施できるように急性期病院の看護部との調整を済ませている。本研究の教育プログラムの対象となる新人看護師の対照群として4病院の新人看護師(約50名程度)に調査を依頼する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
新人看護師の転倒リスク認知・リスク回避行動の育成を目的とした、転倒リスクマネジメント教育プログラム(以後、教育プログラム)を、新人看護師が80名程度就職する急性期病院の新人看護師教育計画の一環として実施予定である。前年度に協力病院の看護師教育担当者と調整済みであり5月に集合教育を実施する。集合教育では転倒リスク場面の映像を眼球運動測定装置による視覚情報の取り込みを測定すると共にリスクアセスメント内容の討議を映像注視の重要部位と転倒リスクアセスメントを「動きの予測」「重心と基底面積」「バランス保持に影響を及ぼす環境」の3点に焦点をあてて実施する。OJT担当者には、4月に転倒リスクマネジメント教育プログラムの説明を行い、職場内教育の方法やポイントの周知を図る。 教育プログラムの評価は、就職当初と就職後6ヶ月以降に転倒リスクマネジメント行動評価尺度の4因子33項目(「予測と判断」9項目、「防止策の実行」8項目、「教育と連携」8項目、「情報の共有・活用」8項目)を用いて行う。対照群として、通常の医療安全教育を実施している病院の新人看護師約50名程度に、同様の内容・時期に調査を行い比較する。また、教育プログラム実施病院のOJT担当看護師には、新人看護師に実施した転倒リスクマネジメントに関する0JTの内容をフォーカスグループインタビューを行う予定である。以上の調査結果から、教育プログラムの有効性を検討する。
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Research Products
(2 results)