2011 Fiscal Year Annual Research Report
看護情報学領域における高度実践能力を有する看護職の継続教育システムの構築と評価
Project/Area Number |
22592404
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
石垣 恭子 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (20253619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 ますみ 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 准教授 (50310743)
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Keywords | 看護情報教育 / 継続教育 / 教育評価 / 教育実践 / 認定看護管理者制度 |
Research Abstract |
22年度に考案した講義項目を中心にA看護協会認定看護管理者制度ファーストレベル研修会の講義項目を1.臨床における看護情報のシステム化、2.看護用語と標準化、3.中小企業へのシステム導入とラダー、4.看護記録の電子化と開示、5.看護情報倫理と個人情報保護法、6.地域医療情報システム等、9項目として実際の講義を行った。講義は座学形式で、レジュメ、スライドを主な教材とし、12時間(2日間)行った。その後、受講した看護師の情報実践力の評価を行えるように試作した調査票と「データの二次利用」についてA4、2枚分のレポートを質的に評価することによって今回の研修会の評価を実施した。受講者71名に対し、提出された70名のレポート内容について、次に示す3段階で分析を試みた結果、「情報の二次利用について具体的に論じている」と判断した受講者は46%、「情報の二次利用について抽象的に論じている」と判断した受講者は31%、「情報の二次利用について論じていない」と判断した受講者は22%であった。これにより、座学のみで、実際の情報の2次利用の在り方を理解させるのには限界があることが示唆された。また、調査票は69名からの回答を得たが、講義を受講して、変化があったと感じられた項目は、「調べたことを整理するとき,文章だけでなく図や表も活用するよう心がけている」15名と最も多く、次いで「興味を持った事柄については,徹底的に情報を集める」14名、「対立する意見があるときはいつも,両方の言分を聞いてそれぞれの良し悪しを判断するようにしている」、「集めた情報は,整理しないでそのままにしておくことが多い」、「自分なりの考えを持つようにしている」が、それぞれ10名という結果だった。この結果から直ちに看護師の情報実践能力の向上を論じることはできないが、この講義が看護情報に対する看護師の行動変容を促すためのトリガーめひとつになりえると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の目的は、継続教育システムのカリキュラム作成とその一部を試験的に教育実践することによる評価である。また、評価は情報実践能力尺度を応用して調査票を作成、試用することによって、平成24年度のより大規模な調査準備とし、カリキュラム全体の評価を行おうとするものである。研究実績に示したようにすでにカリキュラムの構築、調査票の作成、小規模集団によるプレテストを終了しているので、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度の研究結果を踏まえて、講義内容、カリキュラムの再考と調査票のブラッシュアップを行なう。次に、研究連携者らが担当するファーストレベル管理者研修において、カリキュラムの一部を教育実践し、おおむね5施設(現在の予定)においての大規模調査を実施、評価し、最終的に看護情報学領域における看護師の継続教育システムを考案する。
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