2012 Fiscal Year Annual Research Report
入院患者の苦痛に対するハンドマッサージによるリラクセーション効果の科学的実証
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22592410
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
佐藤 都也子 茨城キリスト教大学, 看護学部, 准教授 (30321136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 眞千子 茨城キリスト教大学, 看護学部, 教授 (20295380)
河野 かおり 茨城キリスト教大学, 看護学部, 助教 (60619625)
熊谷 英樹 茨城キリスト教大学, 看護学部, 助手 (80568832)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ハンドマッサージ / リラクセーション / 患者の苦痛 / 生理心理学的評価 / 実証研究 |
Research Abstract |
ハンドマッサージを含め,身体各部へのマッサージの生体反応やリラクセーション反応に関する研究についての文献検討を,引き続き行った。さらに緩和ケアに関する研究についての文献検討を実施し,マッサージによる生理心理学的効果のみならず,寄添うことや手と手が触れ合うことでの効果があり,緩和ケアのひとつとしてマッサージは患者のニーズが高く,ハンドマッサージの自律神経及び心理面への影響を科学的に実証する本研究の意義についてさらにディスカッションを進めることができた。また,術後患者について,術後疼痛に対する緩和医療の現状について文献検討を実施し,心身両側面からの苦痛の理解を深め,回復過程におけるハンドマッサージの効果についてディスカッションを進めることができた。 本年度は,所属する茨城キリスト教大学倫理審査委員会,及び協力病院の倫理審査委員会の承認を得て,実験を開始した。対象となる患者を効率的に確保できるよう,2つの実験を並行して実施している。 その結果,健康な大学生における実験結果から予測した,ハンドマッサージの生理心理学的効果を,概ね得ることができている。そして,緩和ケアを受けている患者の苦痛の緩和,また手術患者の不安や疼痛の緩和に,ハンドマッサージの効果が期待できると予測される。さらに,心身の苦痛を緩和することで,日々の生活意欲が向上するなどのQOLを高める二次的な効果も期待できるのではないかと思われる。しかしながら現在は,被験者数が限られており,ディスカッションを進めるには至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年3月11日に発生した東日本大震災の被災地であり,業務全体に多大な影響を受けたため,研究遂行も滞り,年度当初は達成状況が遅れていた。この遅れを本年度,可能な限り改善する努力をしたが,まだ充分とは言えない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
対象となる患者の確保が急務であり,現在,協力を得ている病院(1施設)に加え,さらに協力病院を増やしていく計画を進めている。また,県外の緩和ケア病院とも交渉中であり,短期間に集中して実験を実施し,状況の改善を図る予定である。
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