2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳科学を応用した看護基礎教育におけるストレス対処能力の維持・形成モデルの構築
Project/Area Number |
22592413
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Research Institution | Jobu University |
Principal Investigator |
本江 朝美 上武大学, 看護学部, 教授 (80300060)
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Keywords | 看護基礎教育 / Sense of Coherence / 脳科学 |
Research Abstract |
1. ストレス対処能力としてのSense of Coherence(以下SOC)に関する文献検討:SOCの対処メカニズムの理論的背景、SOCおよびケアと個人の心理的・社会的要素との関係について理論書や国内外の文献から知見を得た。その結果、SOCとケアの双方に自己に対する意識が重要な要素として関わっている可能性が見出された。 2. 看護学生のSOCと心理的社会的特性との関連:ケアを必要としている対象と関わることをねらいとする実習において、看護学生(42名)のSOCと自己や他者への意識を調査した結果を分析した。その結果、学生にとって対象と関わる実習はストレスとなっており、SOCと自己肯定意識が密接に関係していることが明らかとなった。これらよりSOCは、自己への信頼や肯定感といったケアの基盤と類似する要素が関わっている可能性が示唆された(学会に発表し論文化した)。 3. 看護学生のSOCと看護教育上のストレッサーに対する認知:看護基礎教育において、看護学生はケアを実践することを課題として求められていることから、ケアを「したい」という思考と「すべき」という思考の乖離がストレッサーとなると仮定し、看護学生64名を対象に、看護学生にとって看護が難しいと考える13事例に対する居る・見る・聴く・触れるという4種のケアに対する思考とSOCとの関連について調査した。その結果、SOCとケアに対する思考とは密接に関連し、「したい」思考と「すべき」思考の乖離がストレッサー(以下ケアストレス)となっている可能性が示唆された。これらの知見をもとに、今後看護学生のストレッサーに対するSOCの認知的対処に関する調査を実施する予定である。 4. 脳科学を応用したSOCの対処に関する実験方法の検討:今後のSOCと認知を司る前頭葉のケアストレスに対する反応との関係を検討するために、脳科学を応用した光脳機能画像法MRS、および脳酸素交換機能COE(Cerebral oxygen exchange)解析による実験プロトコルを検討した。(781文字)
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Research Products
(2 results)