2011 Fiscal Year Annual Research Report
汎用デモ機器を用いる看護授業「人体の構造と機能」の構築
Project/Area Number |
22592414
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
江連 和久 埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (20132904)
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Keywords | 人体の構造と機能 / 解剖生理 / 看護教育 / デモ機器 |
Research Abstract |
本研究は看護学生に対する授業「人体の構造と機能」いわゆる解剖生理学を効果的に教授するシステム構築に関する研究である。生理機能の理解のため、シンプルではあるが本質をとらえたデモを授業に組み込むことにより、目に見える形で学習すること、つまり「百聞は一見に如かず」を目指す。 本年度は3年計画の2年目であり、必要な機器を組み合わせた実験セットを開発し、それを講義室のAVシステムに繋げ、さらに実際の授業の場で稼動するかどうかをテストすることを課題とした。 機器の中心として昨年度導入したパワーラボシステム(AD Instruments)に呼吸機能検査システム(スパイロメータキット)を組み込み、新たなデモ機器としてサーモグラフィ(FLIR-E40)を装備した。 今年度で筋電図、心電図、脳波、神経伝導、心音、脈波、血圧、肺機能、体表面温度など、一般的生体現象を必要に応じ計測・記録できる汎用システムが9割方構築できた。また、基本装置はワゴン1つに納まるコンパクトなシステムで教室に持ち運ぶ可搬化も実現した。 作動確認後、看護学生に対する「生体工学」および「看護研究セミナー」の授業でシステムを使用した。例えば患者をシーツごと移動させる作業を行い、その時に働く筋について筋電図の波形の定量的解析を成功裏にデモできた。また、サーモグラフィを使用し、湯たんぽ使用/非使用時の体表面温度の変化も明瞭に示され、大いに教育効果が上がることが示された。 現在は、ハードとソフトの両面から各種インターフェースの改良余地があるが、今後授業からのフィードバックを得てシステムを構築していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、コンパクトで可搬型の計測・表示システムを構築するというハード面とそれらを授業で使える形にするというソフト面の両面がある。ハード面は9割がた完成し、ソフト面も着実に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
汎用のデモ機器を目指したため、機器の働きがソフトに大きく依存しシステム全体がブラックボックス化され透明性が薄れた欠点がある。その改善が今年度の課題であり、現場の状況に即してプレゼンテーションを工夫していく。
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