2011 Fiscal Year Annual Research Report
新人看護師のレジリエンス形成とメンタリングに関する研究
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22592417
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
砂見 緩子 帝京大学, 医療技術学部, 助教 (40433891)
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Keywords | 生涯発達 / 看護師 / レジリエンス / メンタリング |
Research Abstract |
看護師のレジリエンスの構成要素を明らかにするため,臨床経験4年目以上の看護師1109名を対象に,レジリエンス尺度3因子21項目(Grotberg,1999)を用いた質問紙調査を実施した.探索的因子分析の結果,看護師のレジリエンスは2因子9項目で構成されることが明らかになった。第1因子「I can」として「問題解決力」「コミュニケーション」「創意工夫」「ユーモア」「サポート獲得力」「責任感」が,第2因子「I am」として「好ましい気質」「情緒の安定性」「共感性」が示された.これら看護師のレジリエンス2因子9項目のCronbachのα係数は,「I can」因子で0.88,「I am」因子で0.83と高く,十分な内的整合性が確認された.また,探索的因子分析で得られた仮説モデルの適合度を検証した結果,適合度指標はGFI=0.931,AGFI=0.880,CFI=0.936,RMSEA=0.111が得られ,潜在変数となる2因子から各観測変数への係数は0.65~0.86で,統計学的に有意(p<.001)であり,本調査で得られた構成要素のモデルが妥当であることが確認された/さらに,看護師の年齢を独立変数,看護師のレジリエンス9項目因子得点を従属変数とした分散分析の結果年齢を増すごとにいずれの因子得点も高くなることが示され,看護師のレジリエンスは経験によって強化されたり変容される特性をもつことが推察された. 現在はH24年3月~4月に実施した,臨床経験1~3年目の新卒看護師431名への質問紙調査結果の分析を進めている.本調査では,新卒看護師のレジリエンスの構成要素,レジリエンスと自尊感情との関連性,レジリエンスとメンタリングとの関連性を明らかにすることを目的としている.さらに,本調査で得られた新卒看護師のレジリエンスと,昨年度調査で得られた看護師のレジリエンスの因子構造を比較分析する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査結果の分析についてのみ進行が遅れている.これは,当初予定していた調査協力機関が東日本大震災の被災地にあり,調査協力機関の変更に伴い調査時期および結果の受理が遅れてしまったことに因る.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は,看護師のレジリエンスとして示された2因子9項目の構成概念を明確にすることと,それらのレジリエンスはどのようなことがきっかけとなり,どのように形成されるのかを明らかにすることである.文献検討を通して概念分析を行うとともに,看護師を対象としたインタビュー調査による質的分析を行う予定である.
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