2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592431
|
Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
武田 道子 四国大学, 看護学部, 准教授 (40552097)
|
Keywords | 災害看護 / 共助 / 地域防災 |
Research Abstract |
前年度に実施した被災経験のある地域住民のグループインタビュー調査によって、被災後健康を守るために行った地域住民の共助の内容が明らかになった。本年度はこの内容から健康を守る共助力として、知識面10項目、技術面16項目の計26項目を抽出した後、被災経験のない地域の住民組織の防災リーダーが、健康を守る共助力として必要であると思っているか、また健康を守る共助力として既に知識、技術として備えているかを明らかにした。 研究方法は、対象者をA県内市町連合自主防災組織の長に調査協力が得られた19市町の約500組織の防災会長を対象とした。調査項目は、対象者が各項目について、被災時の健康を守る共助力として大切と思う知識および技術と、既に持っている知識および技術、および基本属性、災害に対する考え、担当地域環境を加えた。結果、320人から回収があった(回収率約64.0%)。全項目のうち9項目は知識技術の必要性の認識が低かった。また、全項目で知識技術が必要と思っている度合いに比べて、備えている度合いは有意に低く、特に災害時の避難所での話し合いやルールの決定などの項目に比べて、身体障害者や高齢者などの世話など健康面の知識が不足していた。 この結果は、共助力として必要であるが、現状では不足している知識技術を明確化したことにより、今後平穏時に地域住民の健康を守る共助力を育成するための災害看護力育成プログラムを作成するために有用であり、防災研修に活用する効果的なプログラム開発に役だつことが予測される。これは、看護職として東日本大震災以降高まりつつある社会の防災ニーズに応えるためにも重要な研究であると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の質的研究から2年目の量的研究へ進めることができ、その結果から3年目のプログラム開発の方向へ進んでいる。プログラムの実施対象についてアンケート調査対象の中から希望者を募っている現状であり、研究協力者である防災組織の長や、市町村防災担当者から研究フィールドの了解が得られつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査対象のデータ数がやや少ないので追加する必要がある。また、文献研究特に外国文献の研究が今後必要である。
|
Research Products
(2 results)