2011 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺がん患者とパートナーがセクシュアリティを維持するための支援プログラムの開発
Project/Area Number |
22592439
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
岡本 明美 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (20456007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞嶋 朋子 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 教授 (50241112)
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Keywords | 看護学 / がん看護 / 前立腺がん / セクシュアリティ / サポートグループ |
Research Abstract |
本年度は、1.治療を受けた前立腺がん患者およびパートナーのセクシュアリティに関する問題と取り組み、支援ニーズを明らかにする、2.我が国における治療を受けたがん患者のセクシュアリティに関する看護研究の動向を明らかにすることを目的に、以下の研究に取り組んだ。 1.治療を受けた前立腺がん患者とパートナーのセクシュアリティに関する現状調査 前立腺がんの病名を告げられ、前立腺全摘術を受け、6か月以上経過した、外来通院中の患者9名とパートナー5名にインタビューを行った。患者の平均年齢は62歳パートナーの平均年齢は60歳であった。患者は、命が助かるのであれば性機能の喪失は仕方のないことと捉えて治療法を選択していたため、術後のセクシュアリティの変化を冷静に受け止め対処していた。パートナーの多くは、加齢に伴うセクシュアリティの変化を体験していたため、患者の治療による性機能の変化をあまり感じていなかった。術前・術後を通して、患者の治療による性機能の変化への対処について話し合ったカップルはいなかったが、術前の治療法選択時に相談にのってほしい等の支援ニーズが明らかになった。また、同病者と気持を分かち合いたいといったニーズは少なかったため、サポートグループという支援方法については、慎重に検討する必要性が示唆された。 2.我が国における治療を受けたがん患者のセクシュアリティに関する看護研究の動向 和文献20件についてレビューした結果、研究はほとんど進んでおらず、その原因として、患者・看護師共にセクシュアリティについて公然と語ることに抵抗感があることが考えられた。今後は、セクシュアリティを支援することに対する看護師の認識等を明らかにする必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度、治療を受けた前立腺がん患者およびパートナーのセクシュアリティに関する問題と取り組み、支援ニーズを明らかにするために、患者とパートナーにインタビューを実施する計画であったが、研究計画に関する千葉県がんセンター倫理審査委員会の開催が、センターの都合により延期となったため、本研究計画の承認に4ヶ月の遅延が生じた。今年度は、データ収集・分析を行ったが、患者のパートナーの研究参加への同意が得られないことが多く、データ収集が予定より3か月遅延した。そのため、当初予定していた約500名の前立腺がん患者とパートナーに対する質問紙によるニーズ調査が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、今までの調査結果を踏まえ、前立腺がん診療担当医師・看護師と討議し、サポートプログラムを考案する予定であったが、まず、治療を受けた前立腺がん患者とパートナーのセクシュアリティに関するニーズ調査を年度半ばまでに行い、年度末までにサポートプログラムを考案する。また、考案したサポートプログラムについて、前立腺がん患者のサポートグループに関する先駆的な海外研究者であるSally L. Maliski氏(UCLA)からスーパーバイズを受ける予定であったが、翌年初めに延期する。
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Research Products
(1 results)