2011 Fiscal Year Annual Research Report
救急医療の場での精神的問題をもつ患者のニーズと高度実践看護師教育プログラムの検討
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22592446
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
大竹 眞裕美 福島県立医科大学, 看護学部, 准教授 (70315670)
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Keywords | 精神看護学 / 救急医療 / 精神科救急 / 高度実践看護師 / 看護教育 |
Research Abstract |
■精神科救急病棟での研究(研究課題2および4) 平成22年度から継続していた財)精神医学研究所附属東京武蔵野病院精神科救急病棟での看護ケアの実態調査は、平成23年8月の時点で目標としていた30事例(統合失調症21例、気分障害5例、その他4例)のデータ収集を終了し、9月以降から事例毎に看護問題(目標)、看護ケアの実施内容と実施期間、退院時の課題等についてデータを整理し、精神科救急病棟での看護実践の構造化(精神科救急・急性のケアガイドライン作成)を行った。 ■救命救急ユニットでの研究(研究課題3および4) 3月11日に東日本大震災の発生後に研究代表者、連携研究者(加藤)が避難所支援・被災者支援に対応せざる得ない状況となったため、福島県立医科大学附属病院での精神科的な問題(精神疾患または精神症状)をもち受診または入院となった患者数、患者基礎情報(受診理由・身体および精神状態等)・看護アセスメント(看護問題)・実施された看護ケアに関するデータ収集とデータ分析の作業を中断した。平成23年度後半から収集したデータの単純集計の作業を再開しており、平成24年度からは記述された質的データの分析に着手する予定である。 ■欧州での精神科救急・急性期看護に関する情報収集 Health Promoting Hospitals & Health Servicesの第19回国際学術集会では、精神科入院治療に関するワークショップや看護職からの演題発表がなったため、入院中のケアに関する具体的な情報は得られなかった。欧州での入院期間は2~3週間が一般的で、地域での予防と早期介入に力点が置かれていることは把握できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
精神科救急病棟での研究に関しては、30事例分のデータ収集期間の延長に加え東日本大震災後の被災地支援活動への従事などが影響し、看護実践の構造化の作業が平成23年度後半での実施となった。また、救急救命ユニットでの研究に関しては、研究協力者(桑原)が育児(1歳未満の乳児)中のため、原発事故に伴うリスクを回避し福島県内での研究会議を見送ったことで計画からの遅れを招いた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画よりも研究の進展が半年程度遅れているため、平成23年度中に看護実践の構造化の第一段階が終了している精神科救急・急性期医療を担うエキスパートナースを育成する教育プログラムの検討と提示を平成24年度での目標とする。救急医療を担う看護師を対象とした研究に関しては、精神科的な問題をもつ患者に対する看護ケアの実際の把握と看護師が抱える実践上の困難の抽出までを平成24年度中に実施することに変更する。また、北米での救急看護および精神科救急看護領域にAdvanced Practice Nurseの教育プログラムに関する情報収集は文献レビューで対処する。 本研究の最終課題である救急医療・精神科救急医療を担う専門性の高い看護師を育成する教育プログラムの検討については、平成25年度も現連携研究者らと調整し、新たな共同協力者や研究協力者を募り、研究を継続する。
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Research Products
(2 results)