2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん剤による末梢神経障害を緩和するケアの開発-バブ足浴手浴の有用性の検討-
Project/Area Number |
22592452
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
川端 京子 大阪市立大学, 大学院・看護学研究科, 准教授 (50290367)
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Keywords | 乳癌患者 / 化学療法 / 外来 / 末梢神経障害 / 炭酸泉足浴手浴 / セルフケア |
Research Abstract |
目的:女性、乳癌患者を対象に、外来化学療法センターでタキサン製剤化学療法時のしびれなどの末梢神経障害を緩和するために、炭酸足浴剤をもちい高濃度炭酸泉足浴または手浴(以下、バブ足浴またはパブ手浴と略す)を自宅で毎日継続実施してもらい、末梢神経障害が軽減するかどうかを検証し、ケア方法の開発である。 方法:22年度は、介入研究の事前準備として、1.バブ足浴・手浴の介入研究の遂行マニュアル検討と作成、2.研究協力機関や人的協力体制の整備、3.プレテストの実施を行った。 結果:1.3について、研究を実施する化学療法センターの医師、看護師と綿密に協議を行い、対象者の選定基準、施設内や対象者に実施可能な末梢神経障害の評価方法や測定機器の使用方法の確認、その評価頻度、測定場所などを決定した。2について使用する「炭酸足浴剤」製造量と納品時期について製造者に依頼した。化学療法センターで研究を実施するためには、大阪市立大学大学院医学研究科の臨床研究に関する倫理審査委員会に本研究計画書を提出し、2010年12月に承認され、2011年1月から本研究を開始することが可能になった。そして、2名の対象者に3ヶ月間実施したが、1名は抗がん剤の副作用(問質性肺炎併発し、中止)、1名は3ヶ月間バブ足浴・手浴を実施継続した。その結果、両手指先のしびれは抗がん剤開始から3週目より出現し、抗がん剤終了まで持続したが、足のしびれは出現することなく終了した。3ヶ月間の炭酸泉足浴・手浴による皮膚トラブルはなかった。考察:現在、2名の対象者に介入したが、対象者が少ないため末梢神経障害に対する炭酸泉の効果の評価は難しい。しかし3ヶ月間継続による皮膚トラブルがなかったことで、炭酸泉足浴手浴の化学療法時の安全性は示唆されたと考える。
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