2010 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ターミナルケアに携わる訪問看護師の卓越した看護実践能力の抽出と教材作成の試み
Project/Area Number |
22592457
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 愛子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (10285447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 テルヨ 西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (80285444)
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Keywords | 在宅ターミナルケア / 訪問看護師 / 卓越した看護実践能力 |
Research Abstract |
本研究の目的は、在宅ターミナルケアに携わる熟練訪問看護師の卓越した実践能力を抽出し、それに基づく教材を作成し、教育効果の検討をすることである。この結果は、困難感を抱えて訪問している看護職に、困難を打開するための気づきや実践能力向上のための示唆を与えることに貢献すると考えられる。今年度は、熟練訪問看護師に同行取材し、許可を得てケア等の場面をビデオカメラやテープに収め、その中から卓越した看護実践能力を明らかにすることである。ここで定義した熟練した訪問看護師とは、10年以上の訪問看護経験を有しており、専門的知識を発揮しつつ状況に対応しケアに優れている看護師とした。初年度の今年は、訪問先でのビデオ撮影は実施することができなかった。そこで訪問看護師から在宅ターミナルケアにおける患者・家族の関わりの状況やケアの留意点についてインタビューした。肺がん末期の70歳代の女性の事例から、呼吸困難に対するアセスメントと症状緩和、タイミングを図る、在宅で生活者として生きている実感がもてる状況に整えること、医師との連携の重要性が語られた。また訪問看護ステーションにおけるカンファレンスめ場面をビデオに収め、他の看護師との連携の状況を抽出した。カンファレンスにおいて、熟練看護師は、若手の訪問看護師の考えや思いを「引き出し」、意識していない課題を「気づかせる」ように導き、状況によって具体的に「助言する」役割を果たしていること、他の訪問看護師を巻き込みながら課題への意識化を図っていることがわかった。次年度はさらに情報収集を継続するとともに、ケアの中に潜む実践能力を抽出し、可視化できる教材製作へとりかかる予定である。
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