2011 Fiscal Year Annual Research Report
がん化学療法を受ける婦人科がん患者のスキンダメージとQOLに関する研究
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22592458
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
村田 節子 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (00239526)
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Keywords | 婦人科がん / スキンケア / 化学療法 / コスメティック / ボディーイメージ |
Research Abstract |
がん化学療法の発達に伴い、がんの治療を順調に遂行するために有害事象への対応が重要となっている。抗がん剤による皮膚へのダメージはこれまで生命に直接影響するものが少なかったためにあまり重要視されてこなかった。しかし、皮膚は身体を外部のさまざまな刺激から守る命の袋として重要な役割を担っている。現在、抗がん剤による皮膚の変化や治療時のスキンケア方法については、あまり明らかになっていない。また、皮膚のダメージはコスメティックな変化をもたらしボディーイメージの混乱にもつながり最終的にQOLに影響する。この研究では、婦人科がんで化学療法の受ける対象者の皮膚のバリア機能への影響と、それによるQOLへの影響を検討する。 皮膚のバリア機能評価のために、皮膚の角層水分量、水分蒸散量、皮脂量、色素量、の4つの指標を用いて顔面他14箇所の皮膚を健常者と化学療法を受けた対象者で比較した。健常者に比べ、抗がん剤による化学療法を受けた対象者の皮膚は角層水分量が低く、皮膚の水分蒸散量が大きい部位が多く、有意差が見られた。また皮脂量も抗がん剤使用者の方が低く有意差が見られた。色素量ではエリセマ値で有意さが見られた。 今後、スキンダメージがもたらすコスメティックな変化がQOLにもたらす影響について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、健常者と抗がん剤による化学療法を受けた人を比較していたが、より研究の妥当性を高めるために、健常者の条件を設定し直した。そのためその条件に一致する対象者の確保が困難であり、全体として研究の遂行が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
測定結果の分析と考察を進める。また、スキンダメージがもたらすコスメティックな変化がQOLにもたらす影響について検討する。
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