2011 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患患者のセルフマネジメントを促すためのリスク認識モデルの検討
Project/Area Number |
22592463
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
加賀谷 聡子 杏林大学, 保健学部, 准教授 (10325920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 恵美子 杏林大学, 保健学部, 教授 (10449001)
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Keywords | 虚血性心疾患 / セルフマネジメント / リスク認識 |
Research Abstract |
本研究は、経費的冠状動脈インターベンション療法(percutaneous coronary intervention以下PCIと略す)後の虚血性心疾患患者がセルフマネジメントを獲得するためには、患者の病気に対するリスク認識が大きく影響するという視点に立ち、病気に対するリスク認識に焦点を当てた介入モデルに基づいて患者教育を試みることで、モデルの有効性を検討することを目的とする。本年度は、介入に先立ち、リスク認識がPCI後の虚血性心疾患患者の食事以外のセルフマネジメント行動においても予測因子となりうるのかを検討するために、横断的記述研究デザインによる質問紙調査を計画した。また、教育プログラムの実施に向けて、質問紙調査の結果を基づいたリスク認識モデルの検討、および教材の開発、更に介入プログラムの実施を計画した。質問紙調査に関しては、現在PCI後1年以内の患者を対象にデータ収集を継続中であり、今後得られたデータを共分散構造分析などの多変量解析を用いて分析する予定である。また、教育プログラムおよび教材開発のため、虚血性心疾患患者を対象とした患者教育に関する文献検討を実施し、患者教育の現状を把握するとともに、保健行動理論および認知行動療法など関連する分野の文献検討を実施し、患者教育プログラムおよび教材の検討を行った。今年度は、基礎的データを収集することに重点を置いて活動したため、今後は調査で得られたデータの分析を行い、それをもとにモデルを再検討し、介入研究につなげていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、本年度中に調査研究を終了し、プログラムを修正する予定であったが、調査対象施設での協力体制を整えるのに時間を要したこと、およびPCI後1年以内の対象者が予想よりも少なかったこと、更には比較的高齢者が多く、認知機能に問題があるなど調査対象から除外せざるを得ないケースもあったために、多変量解析に耐えうる対象者数を確保するのに時間を要している。この研究は、第1段階の調査研究をもとに、介入研究を進めていく予定であるため、調査研究の遅れが、研究計画遂行の遅れにつながってしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度から調査研究を本格的にスタートしたこともあり、年度前半は調査施設における協力体制を整えるための細かい調整が不十分で、調査対象者がリストから漏れてしまうなどの問題点があったが、リクルートの方法を再検討したことで、対象者のリストアップ漏れが少なくなってきている。従って、徐々に対象者を確保できるのではないかと考えているが、今後も対象者数の推移の見ながら、必要であれば複数施設でのデータ収集も検討していく必要があると考える。また、調査研究を通してフィールドとの関係性が構築されてきつつあることで、今後の介入研究に於いて、比較的協力が得やすくなり、順調に第2段階を進めていけるのではないかと考えられる。
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