2012 Fiscal Year Annual Research Report
人工股関節全置換術後の脱臼予防セルフケアー患者自己学習用教材開発ー
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22592464
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
桑子 嘉美 順天堂大学, 医療看護学部, 講師 (70258979)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 人工股関節全置換術 / 脱臼予防 / セルフケア / 教材開発 |
Research Abstract |
人工股関節全置換術(以後THA)を受け、社会復帰後に股関節脱臼した患者の実態を知るために、整形外科医師の協力の下THA後に脱臼した対象者4名にインタビューを実施した。対象者は4名中男性と女性2名ずつであり、平均年齢は70.3歳、インタビューの録音に承諾を得たのは2名であった。THAの原因となった疾患は変形性股関節症が3名、大腿骨骨頭無腐性壊死が1名であった。また、脱臼に関連する要因をもつ者は、従来靭帯と関節が不安定であり、かつ生理不順に対し10代からホルモン補充療法とステロイド剤の使用していた者1名、変形性股関節症によって50代に股関節の骨切り術を受けていた者1名がいた。この2名はTHA術後入院期間中から脱臼を繰り返していた。前者は入院中に再手術を行い、後者は前回手術後の股関節の動きそのものが脱臼しやすい肢位となっており、リハビリにより歩行状態の改善を図っていた。 4名中3名が社会復帰後に脱臼しており、1名は入院中に再手術し社会復帰後は脱臼を起こしてはいなかった。3名の社会復帰後に脱臼した状況はそれぞれ異なっていた。一方共通点は、脱臼予防の指導は受けて注意をしていたが、例えばソファーに座っていた際に転げ落ちた食べ物を拾う、段差のある花壇で水やりをしたなど、無意識な動きの際に脱臼を生じている。したがって、脱臼しやすい股関節の動きだけではなく、日常生活において脱臼しやすいさまざまな場面を提示し、自分の日常生活と照らし合わせて自分で注意喚起できる教材の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大学と調査する病院、両者の研究倫理申請の遅れと審査結果による修正し承認される時期が予定より遅れた。また、調査時期と学内の業務、同時に進行している研究の調査、報告の時期と重なった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は平成24年度の結果を基に「THAを受けた患者の脱臼予防」に関する教材を作成し、実際に使用できるように勧める。また、研究倫理審査の承認がスムースに行くよう計画的に進める。
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