2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性病とともに生活する人の元気感と病い感-尺度開発と健康感との関係-
Project/Area Number |
22592465
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中野 実代子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (80364173)
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Keywords | 看護学 / 慢性看護 / 健康観 / 尺度開発 |
Research Abstract |
開発した尺度(元気感および病い感)の尺度としての妥当性と信頼性を検討するために40歳から65歳の糖尿病患者300名を対象に元気感および病い感のファイナルスケール(各10項目)を用いた調査を行った。元気感は263部(有効回答率95.3%)、病い感は262部(有効回答率94.9%)、再検査法による2回目の調査では89部(有効回答率95.7%)を分析対象とした。 主成分分析では、元気感および病い感ともに第1主成分のみが抽出され、第1主成分の寄与率は元気感が64.16%、病い感が60.38%であった。尺度間の相関係数係は、元気感と充実感が0.829(p<.01)、病い感と体調の良好さが-0.709(p<.01)であり、予測した概念間の関係と一致した。尺度得点と合併症および治療との関係をみると、元気感は、糖尿病網膜症(t=2.298,p<.05)などの合併症のない群が合併症のある群より有意に平均値が高く、人工透析を行っていない群(t=3.698,p<.001)が行っている群より有意に平均値が高かった。病い感は、糖尿病網膜症(t=-4.283,p<.001)など合併症のある群が合併症のない群より有意に平均値が高く、人工透析を行っている群(t=-3.461,p<.01)が行っていない群より有意に平均値が高かった。内的整合性の信頼性係数であるα係数は、「元気感」0.937、「病い感」0.927であり、安定性の信頼性係数である2回の調査の相関係数は、「元気感」0.847(p<.01)、「病い感」0.800(p<.01)であった。以上の結果から、開発した尺度の妥当性と信頼性が最終的に支持された。
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