2011 Fiscal Year Annual Research Report
クローン病患者に対する新しい治療法の導入によるQOLへの影響
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22592473
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
富田 真佐子 四国大学, 看護学部, 教授 (10433608)
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Keywords | クローン病 / QOL / 看護学 / 抗TNF-α抗体療法 / ヘルスリテラシー / 患者参画 |
Research Abstract |
若年者に多く発症し、再燃を繰り返しやすい難治性の疾患であるクローン病は、現在治療方法の変革期にある。そこで、新しい治療法である抗TNF-α抗体製剤infliximab投与を主体とした治療法を受ける患者のQOLについて(1)従来からの経腸栄養法中心の治療を受ける患者との比較、(2)新しい治療法を受けた後の経時的な変化を追跡調査し、治療法の変化が患者のQOLにどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的に研究を行っている。 1.患者参画型『みんなの研究プロジェクト』の結成:初年度予算により、ホームページ上で患者が研究に参画する新しいシステムとして「IBD患者参画型『みんなの研究プロジェクト』」を結成した。患者が経験を提供することで集合知を作り、治療法の選択や生活における意思決定を行う上で参考にすることができるヘルスリテラシーを目指したWebシステムを構築している。 2.QOL調査:1)新しい治療法と従来の治療法を受ける患者のQOLの横断的比較および経時的比較:23年度第1回目のデータ収集を行い、治療法の違いによるQOLの横断的比較を行った。アンケート結果については、対象者にホームページ上で公開しており、学会での発表と患者向け報告書を冊子にまとめ配布することを予定している。引き続き、本年度も同様の調査を行い、経時的評価を行う。2)新しい治療法によるQOLの経時的変化:前年度、予備調査としてデータ収集を行った新しい治療法を受けている事例のインタビュー内容を分析し、結果を発表した。QOLに関連する身体的、心理的、社会的側面への影響についてのインタビュー調査、治療法に関する体験記の分析の結果を元に、新しい治療法の選択による生活への影響に関する項目を設定し、データ収集を開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的(1)「新しい治療法の患者と従来からの経腸栄養法中心の治療を受ける患者との横断的比較」については順調に進展し、報告書の作成と学会発表、論文発表を行う準備ができている。研究目的(2)新しい治療法によるQOLの経時的変化については、予定よりやや遅れており、データ収集に向けて準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
・研究に先立って結成したWebを利用した新しい研究参加のシステム「患者参画型『みんなの研究プロジェクト』」 (「患者参画型研究プロジェクト」から名称変更した)を充実させ、参加者を増やす。 ・前年度行った(1)「新しい治療法の患者と従来の治療法の患者とのQOL調査」については、毎年継続的に行うこととし、今年度も実施する。同時に尺度開発に向けた分析をすすめる。 ・(2)「新しい治療法によるQOLの経時的変化」について現在データ項目を検討中であり、項目設定後Web上のプログラムを組んで、データ収集を開始する。データ収集にあたり、協力施設との協力体制を整え、対象者のエントリー手順について整備する必要がある。
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Research Products
(3 results)