2011 Fiscal Year Annual Research Report
肝がんサバイバーのQOLを高める身体活動と睡眠に関する研究
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22592475
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
浦 綾子 福岡大学, 医学部, 講師 (00526519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 博美 福岡大学, 医学部, 教授 (50154852)
奥園 夏美 福岡大学, 医学部, 助手 (50469384)
石橋 曜子 福岡大学, 医学部, 助手 (70469386)
松永 明子 福岡大学, 医学部, 助手 (20571318)
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Keywords | 身体活動 / 睡眠 / QOL / 倦怠感 |
Research Abstract |
平成23年度は、研究協力者(消化器内科医師、消化器内科病棟看護師長)から対象者の紹介を受け、調査を実施した。対象者は肝細胞がんが再発し入院治療が予定された患者であった。調査方法は入院前1週間、治療退院後1週間、退院後1カ月目の1週間、退院後3ヶ月目の1週間に下記の内容を調査した。 調査内容:は、アクティグラフによる睡眠・覚醒リズムの測定、活動量計による身体活動の測定、調査用紙にもとづく睡眠の質の評価、倦怠感の評価、QOLの評価である。承諾を得られた対象者数は16名現在も調査を継続中である。 調査で得られた2事例の結果を健康人と比較し以下の内容で、第26回日本がん看護学会で報告した。 テーマ:Actigraphによる肝がんサバイバーの治療前後の睡眠状態と影響要因(第1報) 目的は、肝がんサバイバーの再発治療前後の睡眠状態の特徴を明らかにするとした。結果は、Actigraphによる睡眠と覚醒では、退院後に入眠時間と覚醒時間が延長し睡眠時間の減少、睡眠効率の低下を認めた。また健康人に比べも入眠時間・中途覚醒分数・覚醒時間の延長を認め、睡眠の質が低下していた。日中体動数が退院後に減少しており、睡眠との関連が示唆された。 睡眠の主観的評価では、PSQI得点が入院前より上昇し睡眠の質が不良であった。 倦怠感は、CFSによる総合的倦怠感の得点が治療前から高く倦怠感が持続していた。倦怠感や体力の衰えを自覚し日中の活動量の低下をまねき、睡眠と覚醒リズムへの影響が推察された。退院後の日常生活に関する相談や情報提供が、身体活動を高め睡眠・覚醒リズムを整える支援につながると考える。影響要因については、さらにデータを増やし検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肝細胞がん患者を対象にした調査で、がん再発が確認された時に研究協力依頼を行った。対象者の心情としては落ち込みや不安が伺え、調査への協力を断られる事例が多くデータ数が不足している。また、調査期間が退院後3ヶ月までで患考の負担感も増したことも要因と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
肝細胞がんは、半年から数カ月後に再発し治療を繰り返している状況がある。退院後3ヶ月目には、再発を認め次の治療が予定されている患者もおり、入院前と3ヶ月後のデータの区別が難しい。 従って、調査時期を治療退院後1週間、退院後1カ月までとする。また、対象者によって調査用紙による主観的評価のみ可能な事例もあるため、Actigraphと活動量計の装着による測定と別に依頼し、データ数を増やす予定である。
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