2011 Fiscal Year Annual Research Report
加齢・病態・外部環境(騒音、青色光)による自律神経機能の変動とせん妄発症との関連
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22592476
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Research Institution | Kyushu University of Nursing and Social Welfare |
Principal Investigator |
樋口 マキエ 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (80040187)
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Keywords | せん妄 / 集中治療室(ICU) / 認知症高齢者 / ストレス / 青色証明 / 自律神経系活性 / 日内リズム / 心拍変動パワースペクトル解析 |
Research Abstract |
1.研究代表者は、研究協力者ICU看護師(本学修士課程大学院卒)と共に、平成22年度に得た。 (1)病院ICUと一般病棟の外部環境(騒音・照度の程度と日内変動)の違い、および(2)ICU入室患者(腹部人工血管置換術患者)のせん妄発症に対する、夜間耳栓(過剰なICU騒音を軽減)の効果、せん妄発症に関連する病態・使用薬物・術前-術後の自律神経機能、およびせん妄発症の予後に関する結果を、国際心臓研究学会や日本薬理学会年会で発表し、現在、投稿のため学術英語論文にまとめ推敲の段階にある。 2.(1)平成23年度は主に、せん妄発症率の高い対象者として病院ICU入室患者(人工呼吸器使用患者)を対象に、上記のICU入室患者(腹部人工血管置換術患者)と同様の心拍変動パワースペクトル解析法やRASS、CAM-ICU法でストレスに関するデータを倫理的に収集しているカミ、解析には更にデータを追加する必要があり、その手続きを行っている段階である。 (2)また、介護老人保健施設に勤務する研究協力者の介護福祉士と共に、入所者の中でせん妄発症率の高い認知症高齢者を対象に、夜間興奮状態に対する青色照明の効果を、ICU入室患者と同様の手法で検討し、データの収集・解析を行っている段階である。同時に、介護福祉士における疲労感と勤務体制による生体機能日内リズムの乱れとの関連データも収集しているが、さらに例数を加え検証する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的(1)ICU患者を対象に、(1)病態により変動するストレス度とせん妄発症との関連、(2)ICU環境(騒音)に起因するストレス度とせん妄発症との関連、(3)手術前の自律神経活性・目内リズムとICU入室後のせん妄発症との関連について検証し、せん妄発症の予防策を提示できた。 目的(2)夜間興奮状態を呈する認知症高齢者に鎮静効果をもたらし、せん妄発症を軽減させるか夜間の青色照明に関する研究は、まだ十分でない。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)せん妄発症率の高い対象者として病院ICU入室患者(人口呼吸器使用患者)を対象に、同様の心拍変動パワースペクトル解析法やRASS、CAM-ICU法でストレスに関するデータを倫理的に追加収集し、解析を行ってゆく。 (2)介護老人保健施設に勤務する研究協力者の介護福祉士と共に、入所者の中でせん妄発症率の高い認知症高齢者を対象に、夜間興奮状態に対する青色照明の効果を、ICU入室患者と同様の手法で検討し、データの追加収集・解析を行っていく。また介護福祉士における疲労感と勤務体制による生体機能日内リズムの乱れとの関連データも追加収集していく。
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Research Products
(3 results)