2011 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児期の障害児を育てる父親に対する看護援助プログラムの構築
Project/Area Number |
22592478
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 奈保 千葉大学, 看護学研究科, 講師 (10291577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 伸枝 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (20282460)
内海 加奈子 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (20583850)
仲井 あや 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (30612197)
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Keywords | 障がい児 / 乳幼児 / 家族 / 父親 / 看護 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、『乳幼児期の障がい児を育てる父親の育児への関わりを促進するため、父親の生涯発達的視点に基づく看護支援プログラムを構築する』ことである。平成23年度は、学童期・乳幼児期の障がい児を育てる父親に対する調査研究について、以下のように計画、実施した。 1)インタビュー内容ならびに質問紙の選択、開発:前年度の結果に基づき、父親に対する調査内容の吟味、選択/開発を行った。本研究の目的である「父親の生涯発達的視点」に照らして、父親の育児への関わりを「父親の日常生活におけるひとつの局面」という視点からとらえ、父親の健康状態(健康問題への対処、自身の健康に対する認識や希望など)、父親が家族内/家族外で担っている多様な役割、役割遂行に対する感情や希求、父親の自己実現などの視点を踏まえて、障がいをもつ子どもの育児への関わり、育児への準備性、葛藤の語りを引き出せるように作成した。質問紙調査も同様の視点から検討しし、育児の協働感、育児効力感、に加えて父親自身の健康への認識、疲労度、役割実行と満足度を採用した。なお1)においては、生涯発達心理学の専門家によるコンサルテーションを受けた。 2)フィールドワークによる1)の適用可能性の検討:1)によって作成したインタビュ―内容の適用可能性を検討するため、フィールドワークを行った。その結果、検討内容として、①父親の年齢にかなり幅がある、すなわち発達段階が様々であること、②妊娠中や周産期における父親による影響、③父親の自己肯定感あるいは自己開示との関連、があがった。一部は考察の視点に反映させることとし、インタビュー項目を洗練した。 3)調査の実施:父親に対する調査を実施した。現在、分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の達成に向けて、段階的に進めることができていると考える。また、生涯発達心理学の専門家によるコンサルテーションでは、調査項目の構成概念、内容妥当性等について客観的な視点からの助言を受け、結果の適合性を高める手続きを踏んでいる。 一方で、当初の予測よりも対象者のリクルートメントが困難であり、予定していた対象者数に達していない状況である。インタビューと質問紙調査のいずれか一方のみに承諾が得られたケースも加え、結果の妥当性の確保に向けての取り組みが必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は看護支援プログラム考案、支援内容の検討を進めていく。上述の通り、調査研究の予定対象者数に達していない状況もあるため、調査研究も並行して継続する。 なお調査研究の結果は来年度の国内学会、2年後の国際学会において公表する。
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