2012 Fiscal Year Annual Research Report
母性愛を育む看護介入法を探索するー脳科学的基盤の解明からー
Project/Area Number |
22592486
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
荒木 美幸 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10304974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 正太 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50448495)
大石 和代 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00194069)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 母性性の向上 |
Research Abstract |
A.妊娠30週の初産婦12名と、未産婦21名の前頭前野活動を測定し、我々の先行研究で特に母性を反映し得る部位(右眼窩前頭皮質近傍)の活動を指標に、群間比較を行った。その結果、妊娠30週の妊婦においては、未産婦と比べ、乳児情動識別課題時におけるこの脳活動に違いは見られなかった(P=0.84)。また、課題に対する正答率、反応時間、回答数についても有意な違いは見られなかった(P=0.38、P=0.11、P=0.06)。これに対し、我々の予備データでは、出産後の様々な産後月齢(24ヶ月まで)の母親64名(初産婦)を対象に、同様な測定を行ったところ、この脳活動と産後月齢に有意な正の相関が見られている。従って、この知見も鑑みると、妊娠30週においては、この課題に対する反応性は、未産婦と変わらなかったことから、少なくともこの週数の妊婦では、この脳領域における母親脳の獲得には至っていない可能性が考えられる。しかし、本課題は、他児を対象とした非限定的な母性(乳児全般に対する)を評価する為の課題であったことから、わが子に限定された脳活動を調べる必要があると考えられる。 B.母親43名を対象に、わが子と他児の映像呈示中の前頭前野活動を比較し、わが子の映像観察中に限定的な脳賦活部位を調べた。その結果、Aの乳児表情識別課題による賦活部位と同様な、右眼窩前頭皮質近傍の活動(報酬系活動を反映する可能性)が有意に亢進することが明らかとなった。産後10ヶ月の母親において、fMRIによる先行研究とも一致する知見が、我々の測定環境においても得られた為、この測定系を用いることで妊婦を対象に母性愛の脳基盤を調べることが可能となった。今後、超音波エコーによる胎児の顔映像の撮影を実施し、これを刺激に用いることで、妊婦の母性愛の定量化、その母性愛を育む介入法の検討を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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