2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児慢性腎臓病思春期患者のセルフマネジメント支援プログラムの開発
Project/Area Number |
22592488
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
野間口 千香穂 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40237871)
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Keywords | 小児慢性腎臓病 / 思春期 / セルフマネジメント / スキル・トレーニング |
Research Abstract |
本研究の目的は、小児慢性腎臓病思春期患者のセルフマネジメント支援プログラムを開発することである。平成22年度は、研究者が開発したセルフマネジメント支援プログラムのトライアルを実施し、小児慢性腎臓病思春期患者への影響を量的・質的に記述することを目標とした。九州圏内の2施設の協力を得て行い、小児科外来通院中の小児慢性腎臓病思春期患者で同意が得られた14名(男子6名・女子8名、中1~高1)がプログラムに参加した。セルフマネジメント支援プログラムの実施に際しては、プロトコールならびにスキル・トレーニング(ST)の実施要領を作成し、均一化と客観性を図った。プログラムは、日常生活でのブックレットと日誌の活用とともに2回のSTに参加することとで構成されている。1回目のST参加者は14名、2回目は12名あり、STに対しては全ての参加者が「分かりやすい」「楽しい」「発見がある」「他の人の話を聞くことができてよかった」と評価し、9割以上の参加者が「役に立つ」「試してみたい」と評価していた。また1回目、2回目ともに3名程度の参加者が「時間が長かった」としていたが、「たいくつだった」と評価しているものは少なかった。ブックレットは全ての参加者が読んでいたが、日誌を活用した参加者は3名と少なかった。以上より本プログラムの特徴であるSTに対する評価はおおむね良好であり、小児腎臓病思春期患者にとって肯定的に受け入れられ、関心ある内容であったと評価できる。しかし、ブックレットは参加者によって関心のある項が異なっており、日誌を活用するものが少なかったことは、今後プログラムを洗練していく上での課題である。また、プログラムの影響を測定するために行ったプレテストとポストテストの質問紙調査と面接調査結果は、現在詳細な分析を行っているところである。
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