2011 Fiscal Year Annual Research Report
小児慢性腎臓病思春期患者のセルフマネジメント支援プログラムの開発
Project/Area Number |
22592488
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
野間口 千香穂 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40237871)
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Keywords | 小児慢性腎臓病 / 思春期 / セルフマネジメント / 看護介入 / スキル・トレーニング |
Research Abstract |
本研究の目的は、小児慢性腎臓病思春期患者のセルフマネジメント支援プログラムを開発することである。平成23年度は、平成22年度に行ったプログラムの影響を質的・量的に記述することを目標にして、プログラム参加者の事前事後質問紙調査と事後面接調査によって得られたデータを分析した。14名のうち計画した交渉スキル・トレーニングに2回とも参加したのは12名であったが、分析対象は参加者14名全てとした。14名中7名は、セルフマネジメントの《ケア提供者との交渉》として、自分で直接医師と交渉する、あるいは自分でやってみようと思うように変化していた。それによって、彼らのセルフマネジメントの履行における自律性を高めていた。わかる感覚として測定したストレスマネジメント自己効力感(SMSE)の事後得点が事前得点と比較して有意に高かった(p=0.033)。プログラム参加前後をとおして母親を介して医師と交渉していると語った《ケア提供者との交渉》に変化がなかった3名も事後のSMSE得点が高く、本プログラムはスキルの変化に影響を与えない場合でも、自分でやっていこうという志向性を高める効果をもたらすと考えられた。また、プログラム参加者は本プログラムの内容を役にたつと評価し、同じ病気の仲間とプログラムに参加したことが「病気なのは自分だけじゃない(11名)」と感じる体験になっており、本プログラムがピア・サポートとしての機能をもっていることが示された。さらに医師と直接交渉する《ケア提供者との交渉》を行う思春期患者は、そうでない思春期患者と比較して、彼ら自身の体調管理の自立への希求が高く、親からのサポート感、学校生活でのサポート感が高く、これらはセルフマネジメントの影響要因であると考えられた。以上より、開発した看護介入モデルは全体として支持され、プログラムの有用性が示された。平成23年度計画していた臨床適用の準備は看護師に研究協力を依頼しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プログラム評価のための分析に計画以上に時間を要したことが、やや遅れている理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に計画した臨床適用のための準備は現在進行中である。トライアルによってプログラムの有用性を確認することはできたため、プログラム施者育成のための学習会と実践適用の課題の検討のためのインタビューは、同時進行が可能であると考えている。
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