2010 Fiscal Year Annual Research Report
0歳児を持つ母親の子育て支援システムの充実を目的とした祖父母教育プログラムの検討
Project/Area Number |
22592493
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
橋本 美幸 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (70513183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 明子 千葉大学, 大学院・看護学研究科・母性看護学教育研究分野, 准教授 (80266626)
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Keywords | 子育て支援 / 祖父母 / 新生児・乳児 / 子育て支援者 / 育児不安 |
Research Abstract |
今年度、出産後のサポート質問紙日本版(PSQ-J)[中島ら,2007]を用いた調査の結果から、母親と祖母間の産後の育児支援授受の実態と支援に関する認識を明らかにし、本調査で使用する質問紙について検討を行った。 母親への調査結果から、産後4か月までに母親が受けたかった支援は、期待の高かった順に、初産婦では実質支援、共感支援、情報支援であり、経産婦では実質支援、共感支援、情緒支援であった。しかし、初経産婦ともに期待通りの支援を受けられておらず、特に経産婦では受けていた支援の量が少なかった。 母親が支援を期待していた支援者は、初経産婦共に実質支援と情緒支援は夫や実母に、共感支援は友人と看護職に、情報支援は看護職と医師であった。支援の実際については、夫や実母からの支援は期待通りに受けられていたが、看護職や医師からの支援は期待した通りに受けられておらず、医療者側の課題を明らかにできた。 祖母への調査結果では、母親(実娘)に「してあげたかった支援」と「実施した支援」との差が、情報支援と情緒支援で大きかった。情報支援では、授乳、母乳、皮膚トラブルへの対処などの知識や情報において両者間の違いが大きく、母親が学ぶ育児知識や方法を祖母も学べる機会を増やし、両者間の情報のギャップを少なくする必要性を示すことができた。情緒支援では、祖母が「心配事を一緒に考えてあげたい・支援してあげたい」と思っていたが支援できていなかった。母親と祖母の2つの結果から、互いに情緒支援を「してあげたい」「して欲しい」と思っていたにもかかわらず、この支援の授受ができていなかったことを明らかにできた。この理由や情緒支援に対する両者の認識の相違を明らかにすることで、母親と祖母の双方にとってより満足感の高い支援の授受が可能になると考えられ、今後の調査の方向性の示唆を得た。
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