2011 Fiscal Year Annual Research Report
きょうだいを亡くした子どものグリーフワークプログラムに関する研究
Project/Area Number |
22592498
|
Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
竹内 幸江 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (00311902)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 雅代 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70125938)
白井 史 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (30420699)
足立 美紀 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (10457905)
太田 克矢 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (60295798)
|
Keywords | 看護学 / グリーフケア / きょうだい |
Research Abstract |
本研究は、きょうだいを亡くした子どもの悲嘆のプロセスを明らかにし、親と一緒に行うグリーフワークプログラムを考えることを目的としている。平成22年度までに、文献検討および予備調査を行い、きょうだいを亡くした子どもへのケアは、子どもを亡くした親の会に派生して一部で行われているにすぎない現状が明らかになった。 平成23年度は、きょうだいを亡くした子どもへの支援の状況、支援のニーズを明らかにすることを目的に、きょうだいがある子どもを亡くした親にインタビュー調査を実施した。子どもを亡くした親の会を通じ、対象となる家族を紹介してもらい、調査協力に同意を得た上で実施した。インタビューの内容は、亡くなった子どもの状況、亡くなる前から現在までのきょうだいの様子や、親としてどのようにかかわったかなどである。母親4名、父親1名、計5名の親からデータが得られ、現在も調査継続中である。また、親の承諾を得て、本人の承諾も得られたきょうだいを亡くした子どもにも1名話を聞いた。 今までの調査結果から、子どもを亡くした後、親はきょうだいの存在に救われる気持ちを抱きながらも、亡くした子どもと比較するなどの罪悪感も抱いていることがわかった。そして、きょうだいが亡くなったこと、その時の親の対応を、きょうだいを亡くした子どもがどのように感じているのか気持ちを聞いてみたいと思いながらも、聞けないことが明らかとなった。また、親はきょうだいを亡くした子どもにかかわってくれる第三者の存在を希望していた。これらから、きょうだいを亡くした子どもへの支援を親も必要としていることが確認でき、具体的な支援方法についての示唆が得られつつある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、子どもを亡くした親の調査後、親の承諾を得て、きょうだいを亡くした子どもへのインタビュー調査までを予定していた。しかし、調査対象となる家族構成の家族が少なく、また調査協力をお願いしても、「まだ話すことはできない」「当時のことは覚えていない」「当時のことをあまり思い出したくない」などの理由で断られる場合が多かった。そのため、親の調査に準備も含め時間がかかっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査結果から得られた示唆に基づき、具体的な支援方法を検討する。そのためには、グリーフケアを専門とする学識者や、支援を必要とする親の意見を取り入れたいと考え、平成24年度はきょうだい支援に向けたワークショップを企画する予定である。
|