2011 Fiscal Year Annual Research Report
助産師の臨床能力向上のために分娩介助技術にOSCEを用いた評価の有効性の検討
Project/Area Number |
22592502
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
二村 良子 三重県立看護大学, 看護学部看護学科, 准教授 (30249354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永見 桂子 三重県立看護大学, 看護学部・看護学科, 教授 (10218026)
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Keywords | 助産師 / OSCE / 臨床能力 / 分娩介助技術 / 助産教育課程 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、助産師の臨床能力向上のため、分娩に関連する看護についてOSCE(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)を用いた評価を行い、さまざまな経験年数(助産師就職直前から臨床経験10年前後)の助産師にOSCEを実施し、経験年数の違いによる分娩介助技術修得等に関するOSCEを用いた評価の有効性について検討することである。 研究方法は、平成22年~23年度に作成した分娩介助技術および新生児に関する技術に着目した課題の内容より「妊娠末期の妊婦健康診査時の支援」、「分娩期:活動期に入った頃の産婦への支援」、「褥婦の健康生活への支援(産後2~3時間後)」、「出生直後の新生児ケア(蘇生の初期処置を含む)」の4課題について、就職直前の助産課程学生および卒後1年~2年目の助産師にOSCEを実施し、その録画内容を視聴してもらい、自身の技術習得状況やOSCE実施における課題等についてインタビューを行った。助産課程学生のOSCE実施においては、助産実習が終了してから病院等に入職後実際に分娩介助技術等を実施するまでに期間があるため、自分自身の技術修得状況の確認や妊産褥婦の情報からアセスメントし、状態を判断するという一連の過程を実施し、自分の課題を明確にすることができたという評価であった。卒後1~2年の助産師では、実際の場面で体験の少ない内容(妊婦や新生児蘇生場面)と多く体験している内容における技術修得状況の差がわかり、妊産褥婦への関わりが十分行えているという点については自分の成長として実感でき、さらに取り組むべき課題について明確にすることができたという評価を得た。今後、臨床経験10年前後の助産師にも同様のOSCEを実施し、経験年数による違い等を詳細に分析し、助産師の臨床能力向上のためOSCE活用における有効性を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
助産師課程選択学生および卒後1年目~2年目の助産師に対してはOSCEを実施した。臨床経験10年前後の助産師については、対象者の確保、実施日の調整等に手間取り、23年度中に終了できていない。平成24年度については、5月以降に臨床経験10年前後の助産師を対象者にOSCEを実施し、結果のまとめに専心する。
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Strategy for Future Research Activity |
OSCE実施が、助産師の臨床能力を把握し、助産師自身の課題を明確にすることができるという点において有効であり、今後、さまざまな臨床経験の助産師にOSCEを実施していくことで、助産師の臨床能力を向上するのに本研究は寄与するものと考える。しかし、OSCE課題設定において限界があるため、臨床経験がある助産師ほど通常の実践内容との相違を感じるのではないかと考える。この課題設定において、いかに実際の場面との相違を最小限にするかという点が課題であり、模擬患者を採用しつつ、内診や診察が実際に行えるようシミュレーションモデルと併用しながら、場面設定をより現実に近い状態となるよう工夫し、設定していく。
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